ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

病室の義母(2)

きょうは洗濯に時間がかかり病院に行くのが遅れました。病院へ着くと仕事を早く切り上げた相棒が先に来ていました。凄く辛い顔をしています。私がいない間に義母がまたワガママをしたようです。

義母はとみると、周りなど全く関知しない様子で一人で喋りながら、しっかりした手付きでスープを飲んでいます。昨日は弱々しくてお椀も持つことが出来ず、私が飲ませなければならなかったのですから、その回復の早さには驚きました。痛み止めの薬の服用は中止されたと相棒が言うので、今までの弱々しさは強い薬のせいもあったのだろうと思われます。

あの優しく美しい看護婦さん、ベバリーは昨夜も今日もいなくて、別の男性の看護夫が付いていました。ベバリーさんが居ないためか、義母の目はきつくなっていて文句ばかり言っています。いや、ただ元の義母に戻っただけなのかも知れません(笑)。昨夜の義母はかなり扱い難かったようで、この男性の看護夫さんは義母を煙たがっているように見えます(笑)。私が「夜、入れ歯を洗浄剤に漬けるのを忘れないで下さい」と言って入れ物を渡すと「ヤーヤー」と適当な返事をして受取りました。実をいうと、入れ物は乾いていて、昨夜は洗浄してくれなかったと私は疑っているのです。

義母は尿道の炎症が治ってよほど身体の調子が良くなったらしく、私たちが帰るというと「こんなところに寝ちゃいられない。玄関まで行くよ」と言いながらベッドから出ようとするのです。「玄関」と言うのは、義母は自分のアパートに居るつもりだからです。自分がベッドに寝ていることも、周りで動き回っている人たちが病院のスタッフであることも「我関知せず」の義母。リハビリセンターでは歩こうともしなかった義母の元気さに私は喜んだのですが、相棒は母親の理性欠陥の進行に失望していました。