ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

ステイト・オブ・ショック

状態の良い日と悪い日が交互に来る義母。そして良い日でも悪い日でも、その程度は毎日違います。三日前「完全に良いお婆さん」二日前「何でも嫌がる頑固婆さん」きのうは「少しだけ良い婆さん」でした。

そして一日の内でも午前中は、ある程度落着いていて、午後4時近くなると乱れてきます。良い日であっても、話すことに辻褄が合わなくなり、身体のあちこちの痛みを訴えるようになることがあります。

きのうは朝早く、相棒と2人がかりで「少しだけ良い婆さん」を車イスに移し、神経科医へ連れて行きました。有難いことに、義母はアリセプトが効いているのか、いくらか落着いていて、数時間の待合と診察に耐えてくれました。しかし、センターに戻って、午後になるとイライラした様子をみせ、足が痛い、肩が痛い、腕が痛いと言いながらベッドの上でモガき始めます。

実はきのう、義母が医者へ行くことに協力してくれるかどうか不安だった私たちは、予約時間の2時間前から義母の説得にかかりました。「さあ、医者へ行きましょう」と言うと「医者がここへ来ればいいのだ」と義母。

少し飲み物を与えて落着かせてから、相棒と二人で義母を抱えて車イスに座らせようとしました。しっかり押さえ抱えられているのに「ああ倒れる、崩れる、崩れるうう」と言ってしゃがみこみそうになる義母。オムツがずれ落ちてしまってオロオロしたのは私の方(笑)。その時、義母のオムツの取替えが必要なことに気付いた私ですが、まず、医者に連れて行くことに専念。やっと車イスに乗せると、急ぎ替えオムツをバッグに突っ込み、医者へ向かいました。

医院に着いて、義母がトイレに行きたいというのでオムツを取り替えるいいチャンスだと思いました。相棒と二人がかりで義母をかかえトイレの中で格闘(笑)。オムツもフレッシュになった義母は少し落着き、1時間の待ち時間にも、2時間近くの診察にも耐えてくれました。

義母は医者の質問に冗談まじりに応えていました。医者が「ワールドのスペルを言ってください」と言うと、しっかりスペルを言うし、「ワールドのスペルを逆に言ってください」という質問にも、少し時間はかかりましたが、ちゃんと答えていました。私でさえ「スペルの逆を言え」と言われた、すぐには答えられません。

医者が「今あなたの居る州(ステイト)は何ですか?(what state you are in?)」と訊かれた義母の答えが揮っていました。「ステイト・オブ・ショック(ショック状態)だよ」と言ったのです。それも義母は訊かれた質問の意味は分かっていてステイト(州)とステイト(状態)を掛ける冗談を言ったのです。

神経科医の診断は、やはりレビー小体型認知症だろうということでした。脳の萎縮が顕著で、他にも脳内と脳表に支障があるようです。