ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Clutter Collectors

義母のアパートの整理の様子をちょっとお話いたします。

義母は、資産もなく、収入レベルはどちらかと言えば中の下でしたが、若い頃からアパートの部屋の装飾はインテリアデザイナーを雇ったりするような上流クラスの生活を模していたようです。そのため家具や装飾品には中流アパートには不似合いな質の高いものが混ざっています。

かと思うと、40年の間に、全部捨てずに溜め込んだような凄い量のカードや本人にしか価値のないガラクタもゴマンと出てきます。何でも捨てきれずに溜め込む人を Clutter Collectorsと呼びます。義母もまさしくクラッター・コレクター。ナイロンの靴下など、買ったまま使用していないものも含め大きなクッションが10個以上作れそうなほど引き出しに詰まってました。もったいないけど捨てました。

7年前に逝った義父のネクタイも7-80本近くぶら下がっていました。義父は無駄なものは持たない主義の人だったので、きっと皆ギフトとして貰ったもので捨てるわけにいかなかったのだろうと、相棒が推測していました。ネクタイは慈善事業に寄付できそうです。

リビングルームにステキなガラス戸の戸棚があって、そこには祝い事にのみ使用したノリタケの高価な椀や皿のセットが入っています。ヒジョーに重いです。陶器の裏に番号が打ってありますので、これは売却できそうです。

クリスタルも小さなワイングラスだけでなく、厚く彫りのあるデキャンタのようなステキなものもあります。クリスタルは私が貰ってもいい(笑)。クリスタルグラスは1つも持っていない私です。クリスタルグラスで飲むと水の味まで違ってきませんか?

各部屋のクローゼットや引出に、やたらケース入りのメガネが見つかったので一箇所に集めてみたら50個近くになりました。なくなったと思って新しく買ってしまったのでしょうか。レンズだけ入った袋もたくさんありました。視力が変化してしまったため使えなくなったものでしょうか。

少し大きなウォーキング・クローゼットにはイメルダ・マルコス顔負けの靴の数。右側の壁にあった2-30足ほどを捨てたり箱に入れたりして処理し、やれやれと思ったら、左の洋服掛けの下にまたぞろ10足ぐらい箱に入っているのを見つけてハレハレハレ。靴はみな昔のデザインでステキですが、どれも先が細くなっています。義母の足が纏足(てんそく)みたいに変形していたのも納得。義母は、靴とバッグの色と柄まで揃えていました。靴の裏を見るとみな真新しいソールなので、あまりはかなかったか、はいたあと靴屋で底を付け替えたかしていたのでしょう。

ハンドバッグが大小20個ほど、パーティドレス用のものはビーズがビッシリついて捨てるのがもったいないくらいでしたが、古いので捨てました。どのバックの中からも爪用の使い捨てヤスリが山のように出てくるのが不思議でした。

写真はアルバムとバラをあわせてダンボール箱5―6箱。私は捨てたいのですが、相棒が捨てさせません(泣笑)。相棒の両親の結婚式の写真は小型スーツケースのようなものにセットされていて、正装したカップルがいろいろなポーズをした写真(ウェディングドレスの裾を大きく360度広げてカップルが花の中に座っているような写真とか)が何十枚も貼られているものです。私の両親の結婚式の写真は一枚だけでしたので、その差がひどく可笑しいです。なぜ違うポーズの写真が何枚も必要なんでしょうか? ま、野暮なこたぁ、言うのよしましょう。

ガラクタといえば、箱に入ったままのプリンスラインの電話器がなぜか3個もありました。1930年代の撮影用の大きなフラッシュライト、いったい何に使ったのか...。熱を冷ますための氷を入れる布袋、ゴム製水枕、被写体を上から見下げる古い型の写真機、4トラックテープレコーダー、電気洗顔器などなど、今では見られない興味ある古物もいろいろ出てきました。

ジュエリーが大小50箱近く、カスタムジュエリーがゴッソリ入った袋が2つ。オシャレなジュエリー腕時計が5-6個、普通の腕時計が3-4個。腕時計は1つ壊れたらやっと1つ買う私には、この数の多さが理解できません(笑)。ギフトとしてたくさん貰ったのでしょうかしらん。