風船間違い

先週、ペンシルバニアに旅立つ日の朝、出発前に相棒の友人のお見舞いに寄りました。腎臓移植を受けた友人が入院しているアップタウン西の病院に行くと、友人は弱々しいけれど元気でいました。

「34才の若者の腎臓を貰って、また命ながらえたよ」と何か悟ったような言い方の友人は10年ほど前遺伝性糖尿病が発病してから声に力がなくなっています。腎臓は2年ほど前から病み始め、この友人が面倒をみた若者が腎臓を提供してくれたのだそうです。助けた人に助けられる...何か因果のようなものを感ぜずにはいられません。

見舞いの前日、私たちは花を届けようとしたのですが、生花はダメと病院からNGがでて、仕方なくGet Wellの風船を届けるよう手配して置きました。

ところが友人は「Get Wellじゃなくて Happy Birth Dayの風船が届いたよ」っと静かに微笑んで窓辺の風船を指差しました。それを見て、私は驚きと失望で喉がつかえてしまいました。せっかく「はやく回復して」という願いを送ろうとしたのに心ない間違いをするもんです。注文書にはGet Wellの風船、カードにもGet Well Soonと書き込み、届け先が病院であるにもかかわらず、Happy Birth Dayの風船をつけて平気でいる...そういう「心ここにあらず」、やる気なく働いている人たちがこちらには多いように思います。

見舞って、そのまま旅に出て、風船のことはすっかり忘れていました。今朝になって風船を頼んだところから「注文ありがとうございました。またお願いします」というEメールが届き、ア、と思い出しました。さっそく、間違えた風船が届いていて失望したことを返信しました。するとすぐ電話で「なんとか取り繕いたい」と、そのサービス会社から連絡がありました。既に病院に連絡して友人が退院したことを調べていたようで、サービスを運営している人たちが一所懸命であることは伺えました。問題は、実際に花やら風船やらのギフトを扱い配達する人たちにあるようです。

ま、上述の事柄は些細なものですが、アメリカって何につけても「頭でっかち尻つぼみ」式です。(教養はどうでも)教育を受けた上層部が色々考案して下層部が実行するのが殆どですが、考案に対する下層部への理解浸透がなく、どんなに名案でも施行する場でいい加減になりダメになります。
何度も言うことですが、屋台骨が崩れてこの国が崩壊するのはそんなに遠くない、ですね。