Amour 観ました

ちょっと心配していた通り、私たちには重過ぎるテーマでした。自分たち二人の老後の姿に重ねてみることもありますが、それよりももっと身近な厳しい現実として故義母の認知症と重なる箇所が多々あり、あるシーンは、あまりにも酷似しているため、堪らず顔がクシャクシャになってしまいました。肉親に認知症患者を持った人には、切実で重苦しく圧(の)し掛かってくる作品です。

二人の老俳優が演技とは思えない落ち着いた雰囲気で、まるで老夫婦の実生活を垣間見るような作品でした(少し小津監督を彷彿させます)。終わってからしばらく重圧を振り払いきれずにイスに座ったままでいたら、映画館のオジサンが「おわりだよ、おわりぃ」と懐中電灯でイスの間を照らしながら私たちに呼びかけました。上映時間が最終だったので早く閉館したかったようです。観終わってすぐ立ち上がれなかった映画は「フォーレストガンプ」とこの作品です。

90歳を越える人も少なくない現在、認知症という難問は避けて通れないものになってきています。私は自分が認知症になったら生きていたくありません。自分で自分の始末がつけれられなくなったら生きていたくありません。もう、それは自分ではないと思うのです。つまり自分は死んだも同然なのです。抜け殻だけで生きていたくありません[老人でなく若い人の場合は別問題ですので混同しないようにお願いします]。

義母はもう自分で考える力がなくなっていました。自分で生きていく力もありませんでした。食欲促進剤を飲まなければ何も食べずに死んでいく状態でした。ホーム側でDNR (延命補助をしないことに同意すること)を勧めても相棒が受付けなかったため、ホームでは、日中、食欲促進剤を飲ませてモノを食べ続ける状態にさせ、精神安定剤の強い薬を飲ませて静かにさせ、夜は睡眠薬で眠らすという手段を取っていました。そんな扱いをされる義母をみて、こんな生かし方はよいことなのか、と考えざるを得ませんでした。

安楽死の合法化について、相棒は、乱用悪用する人が出てくるので反対だそうです。たしかに、そういうことも考えられます。とても難しい問題です。