ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

セントラルパーク散歩

気温はそれほど高くありませんでしたが、風もなく、きのうは散歩日和でした。ウラウラとした空気に誘われて、セントラルパークを相棒と一緒にぶらつきました。

以前 Pippinさんに名前を教えて貰ったベセスダの噴水、今は水が抜かれています。乾いた池の底に人々が入り込んで写真を撮っていました。水が入る前の小さな遊びですね。

公園では、リスに挨拶すると知らん振りするリスも居れば、目の前まで走ってきてチョコッと座って餌を待つ様子をみせるリスもいます。そして餌を用意していない時に限ってリスが近寄ってきてくれるので、困ってしまいます。

そこできのうは、アーモンドの種を10粒ぐらい持って出かけました。西から東までゆっくり横切った辺りで遇ったリスに挨拶したら、可愛い顔して近寄ってきました。アーモンドを1つ投げてあげるとそれを咥えて少し離れた木の株にチョコンと腰掛け一心に食べ始めました。餌を食べるリスの様子はいつ見ても可愛いです。食べ終わるとリスはまた私に近づいてきました。それでまたアーモンドをあげると今度は離れた木まで行かず、その場で食べていました。食べ終わったらすぐ次を貰おうという魂胆(笑)です。

私と相棒は近くのベンチに座ってその様子をみていました。リスは今度はベンチに乗っかって私の横にきました。よほどアーモンドが気に入ったようです。5粒ぐらい食べてしまいました。「あとでお腹を壊したら困るね」と相棒と話していたら、2歳ぐらいの男の子がそのリスを見つけて追いかけまわし始めました。リスは急いで逃げて行きました。

5番街72丁目の出口ちかくに半円形のベンチがあるところまできました。コンクリートで出来ているそのベンチにはラテン語が彫られています。それを眺めていた老カップルが相棒をみて「ラテン語が分かるかね?」と訊いてきました。相棒はラテン語が分かりそうな人に見えます(笑)。少し説明するのかと思っていた私に「いや、よく分かりません」という相棒の謙虚な声が聞こえてきました。そのカップルはしばらく眺めていましたが立ち去っていきました。それを待って私は「ラテン語少し分かるじゃないの」と残念そうに言うと「少しだけだよ。はっきり分からない」と言いながら、1つ、2つの単語の意味を教えてくれて「でも全体の意味が汲取れない」と相棒は言いました。

今朝、相棒が勤務先からEメールで送ってきたのがこのサイトです。
http://www.nycgovparks.org/news/daily-plant?id=18554

それによると、このベンチはWaldo Hutchinsという人のために作られたものらしいです。 そして刻まれたラテン語について説明した立札があったらしいのです。ある時、ニューヨークを訪れた古典学者がセントラルパークに立ち寄り、その立札をみて、2箇所の綴り間違いがあることを当局に連絡してきたそうです。その学者は、すでに誰かが黒ペンで立札の間違いを直してあることにも気付いたそうです。2ページに渡る手紙の中で「悪戯書きには賛成しませんが、スペルを直すほどラテン語に精通した悪戯書き屋がいることに少なからずもホッとしたことは免れません」とも書いてあったようです。ま、このような経緯からか、ラテン語を説明した立札は取り去られてしまい、今はないようです。

サイトに英訳がありましたので日本語にすると、だいたいこんなことが書いてあるらしいです。

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ALTERI VIVAS OPORTET SI VIS TIBI VIVERE
(自分のために生きようとするなら人のために生きることだ)
NE DIRUATUR FUGA TEMPORUM
(年月の経過に破壊されないようにしよう)

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最初の「『生きる』ということは『人のために生きる』ことだ」という言葉、今の私には身にしみて分かります。自分のためだけに生きていると虚しくて虚しくて、とてもじゃないが生き続けている気がしなくなってきますが、この人のために、と思って生きると何とか生きていける。複雑ですね、生きるって。

2番目の「年月に破壊されないように...」という意味はよく分かりません。無理じゃないかと思うのです。魂とか精神のことでしょうかしらん。