ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

西郷さんに学ぶ

たまにですが、腹は立たないけれど、妙に気色の悪い気持にさせられることがあります。こちらのスーパーのレジの人の態度なのですが、客を客と思わぬ、人使いの荒い連中がたまに居るのです。

私のヒガミなのかも知れませんが、その態度は、どうしても私がアジア人であるからではないかと感じてしまうのです。そしてそういう人使いの荒い連中は、全部とは言いませんが、ある一定の層の強気な感じの黒人かプエルトリコ系の女性に限られるのです、私の場合。安っぽいTシャツにジーンズ姿の私は、連中にとって「アジア人の使用人」にしか見えないのでしょう。ついアゴで使ってやりたくなるのだと思うのです(笑)。

以前、プエルトリコ系の若い女の子がレジに居て、全部打ち終わったあと、空になった買物カゴを私に向かって「向こうのカゴ置きにのせなさい」といったことがあります。店の仕事を客の私にやれという態度にあっけにとられました。でも、文句言うほどのことじゃないし、その場の平穏を保つため、客面せず黙ってやってあげました。しかし、どうもシックリこなくて、あとあとまで考える私でした。馬鹿にされたと思わないこと、と必死に考えを振り切ろうとするのに時間がかかりました。私は、そんな下らない目に遭うことが時々あるのです。

きょうは、こともあろうに、客あしらいの良いはずのトレーダージョーズで似たようなことが起きました。この店は狭くて、店にあるカートは大きくて動きづらく、店のカゴは小さすぎるので、私は自前の中型ショッピングカートを持参してその中に商品を入れて買物するようになりました。

きょうあたったレジ係は強気な感じの黒人の女性で「紙袋にする?プラスチック袋にする?」と訊くので「袋は要らない。品物はまたカートの中に戻してくれればいい」と答えたら、何やら私の顔をジッと見て「じゃ、カートから品物を出してこのボードにのせて」と言うのです。いつもカートで買物をしても、レジ係が品物を出してまた戻してくれていたので、私は一瞬声がつまりました。でも、ここでマネジャー呼んで文句言うのはアホくさいと思った私は、いちいち品物を出してレジの横に置いて、何事もないように済ませました。

帰り道「なんでもない、なんでもない」と思いながら冴えない気持を抑えようとしました。でも頭の中はなぜかレジ係の態度のことでいっぱいになってしまいました。やはり、馬鹿にされたとしか思えないのです。

ま、かの西郷(隆盛)さんでさえ、百姓姿で道を歩いていて若侍に「じゃまだ」と怒鳴られても、腹が据わって人間が出来てる西郷さん「すみません」といってどいたというんだから、西郷さんに学びませうか。