ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

カナディアンロッキーの旅(5)食事

旅に出た時はビーガンの選択が出来ない場合があります。血液サラサラのために乳製品(バターやチーズ)と肉は極力避けますが、シンプルな焼き魚があればそれを選択することにしています。それでも今回の旅では、ベジタリアンやビーガンを考慮してくれる傾向に出あい、魚を食べる羽目になったのは一食だけでとても有難かったです。特に後記するルイーズ湖のフェアモントホテル内のレストランは客への気配りが日本並みで感激してしまいました。


まず初日、エドモントン空港から宿に着いた時はすでに夕食の時間に近かったので、宿のレストランで食事をしました。特にビーガンのメニューはありませんでしたが、係の人に「メニューにあるリゾットをバター抜きチーズ抜きで作ってもらえるか」訊ねると、厨房から戻ってきた係の人が「バターとチーズを除いたらリゾットじゃなく『ただの混ぜご飯』になってしまいますけど、それでも良ければ作ります、とシェフが言っています」と言うので「もちろん、それでいいんです」とお願いしました。出てきた混ぜご飯の美味しかったことといったらホッペが落ちそうでした(笑)。それからここのコーヒーの美味しかったこと! ブルーマウンテンかなぁと思うほど、まろやかで苦味も酸味もなく、甘味さえ感じました。ミルクなんか要りません。どこの何というコーヒーか訊き損なったのが残念です。


次のMiett温泉での夕食は、少し離れたジャスパーという町まで出かけて、そこの韓国料理屋で春雨の野菜炒めを注文しました。春雨は切らずに長いまま茹でてあり、味付けは砂糖が多過ぎてとても食べられたものでなく、「不味い」ということを分からせるために九割方残したのですが、長い運転でお腹の空いていた相棒がその私の残りを食べてしまったので、レストランのオーナーは「美味しかったのね」と笑って空のお皿を下げました。私はお愛想笑いを返すしかありませんでしたなぁ。因みに、ニューヨークの安いアジア料理店などでも、米国人の味覚を見下げていて甘くすればいいと思っているところがあり、砂糖を入れる店がよくあります。私たちは、あるタイ料理の店で「砂糖を入れないで」と頼んだことがあるほどです。


さて、前述したルイーズ湖のフェアモントホテルで夕食をとった時のことです。テーブルに着いてメニューを見ていると、まず、ウェイターやウェイトレスでなく、スーツを着たメートルディみたいな人がやって来ました。「私どもで出来ることがありますでしょうか?何かご質問はありますか?」と笑顔で訊いてきます。その笑顔につられて「このメニューにある野菜ピザですが、チーズなしに出来ますか?」と訊いてみました。その人は厨房のシェフに訊いて戻ってきて「出来るそうです」と教えてくれました。そのあとにウェイトレスがやってきましたが、その時はもう私たちがビーガンであること、私がチーズ抜きのピザを注文するつもりでいることまでそのウェイトレスさんは承知していました。「バンクーバーでビーガンの人がかなり増えていて、そこから来る観光客はビーガン料理を注文するのですよ」とそのウェイトレスさんは言っていました。

出来上がってきたピザは大きくて野菜がタップリで3人前はありました(笑)。一切れ口に入れてから写真に撮ることを思いつきました。それで、食べかけの一切れが写っていますが、これがチーズなしのピザです。大食らいの私もさすがに食べきれず半分残してしまいましたが、相棒が片付けてくれました(笑)。


バンフでも宿のレストランで夕食しましたが、ビーガンであることを告げると、それなりのメニューを紹介してくれます。私たちはポッドタイという麺料理を頼みました。薄めの味付けで美味しかったです。あとでコーヒーを頼んだ相棒に、ウェイターさんはワザワザ豆乳を探して持って来てくれました。