ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

相棒の友人

昨日は相棒の友人夫妻と食事をしました。この友人とは40数年会ってもいなければ話してもいなかった相棒ですが、これが相棒の人柄を改めて感じさせる話なのです。

数週間前、相棒に憶えのない人からEメールが入りました。送付主のアドレスがIBMだったので、宣伝だろうと思って無視していたそうです。すると何回かのメールのあと「私の今の名前に憶えがないと思いますが、旧名をナニナニといいます」と言って来たそうです。それで相棒はその人が高校時代の友人であったことを思い出したそうです。その友人は相棒のことをウェブで調べて知ったそうです。その人にとって高校時代の相棒との思い出が人生で一番楽しかったのだそうです。

その人は現在テキサスのダラスに住んでいるのですが、相棒に会いたくて奥さんを連れてニューヨークにやってきました。そして夕食を一緒にすることになったのです。奥さんのいうことには夫が相棒のことばかり話すので、相棒とはいったいどんな人物なのかと思っていたそうです。相棒とその友人は嬉しそうに40数年のギャップなど全く感じられないように楽しく3時間あまりも話していました。何を話してもその友人は「そうそう、そのとおり」と手を打って嬉しそうでした。

人格のない私にはこういう友人は一人もいませんので、眩しく見ていました。相棒のことを思う友人を数人知っていますが、みな「こういう誠実な人間は滅多にいない」と手離しで褒めます。

昔、隣の州で事故を起こした相棒の友人の一人から、回復後に車がないので迎えに来てくれと頼まれた時、豪雨の中、こっちが事故を起こしそうになりながらも迎えに行った相棒。その時「こんな豪雨じゃ、こっちが危ない。迎えに行くのよそうか」と助手席の私が言ったのですが「うんにゃ、あいつが待ってる」と言って断固 車を進めた相棒。友人の待つホテルまで行ったら雨はカラリと上がっていて、その友人は相棒が豪雨の中をやって来たことなど知りません。相棒も何にもいいません。そしてその友人が私に「都合のよい時の友人はたくさんいるけど、都合の悪い時に助けに来てくれる友人は彼一人なんだよ」と言いました。私はこういう男性の友情っていいもんだなぁと羨ましく思ったものでした。