ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

映画3本観ました

Lone Survivor
アフガニスタンでのミッションに失敗し、一人を残して全滅、その生き残ったネイビーシールが書いた本を基にした作品。最初にネイビーシールの訓練の実写が出てきます。立派な体格の若者が耐え切れる極限を超えた過酷な訓練にガクガクしているのを見て、このようにして選ばれた若者が最も危険な戦略に拘ることになるということに皮肉を感じました。戦闘シーンにかなり迫るものがあり、崖からころがり落ちて岩にぶつかるのも半端でなく、観ている方が痛くなってきました。製作中、何人かのスタントマンが肋骨を折ったとか聞きましたが、さもあらん。今の世の中に、国のため、人のため、信念のためなどに命を懸けて戦う人がまだいること、思い起こさせてくれる作品の1つです。

Like Father, Like Son (そして父になる)
NY市では、日本の映画はジャパンソサエティなどの日系団体やビレッジの小さな特殊映画館で上映されるだけなのですが、この作品は近くの一般映画館で上映されていました。それでどんなものかと観てみました。[後記:よく考えてみたら、この「近くの一般映画館」も一般的なハリウッド作品でなくインディを多く扱う特殊映画館でした]  評判の良い作品らしいのですが、私にはカットしてもいいのにと思える場面が多く、間の取り方が長いように思えました。父親役の俳優も表情が少なく、主役であるのか脇役なのか分からないような感じがしました。そのためか、出てくる画面は少ないけれどベテラン俳優二人の演技の重みをさらに感じてしまいました。

他人の人生を自分の勝手で変えてしまう人間はたくさんいますが、だいたい自分ではそんな大それたことをしたとは気が付かずにいるものです。この話のように故意に他人の人生を変えてしまうような人間が、家庭を持って普通に暮らしていくことが出来る「時効」というものにかなりシコリの残る思いがしました。余談ですが、日本には殺人にも時効がありますね。米国は殺人に時効はありません。殺人犯は一生逃げ惑うことになります。これだけは米国に賛成する私です。

The Past (ある過去の行方)
Asghar Farhadi監督の A Separation (別離)に圧倒された私は、これも同監督の作品だと知ると観てみたくなりました。フランスが舞台なのでフランス語の作品となっています。場面の進行と一緒にその背景が少しずつ分かってくるという設定になっているので画面から目が離せません。最後の方で話は一転二転三転し、頭の整理をしなけばならないほど複雑ですが、人の世はそのように複雑なものだということかも知れません。同監督の次の作品が楽しみです。