餅つき

先週金曜日、マンハッタンにある炉端焼きレストラン「田舎家」へ初めて行ってみました。ビーガンの私たちは、事前にメニューをみて、野菜の炉端焼きがたくさんあり、セイロ蕎麦もあり、これなら大丈夫だと思ったのです。

一品料理は量が少ないだろうと思って豆腐やキノコや芋など何皿も頼んでしまったら、案外量があって慌てました。が、相棒が完食してくれました。セイロ蕎麦のつけ汁には多分鰹節が入っていたかも知れませんが、私は目を瞑(つぶ)り、相棒には何も言いませんでした。美味しいお蕎麦でした。

さて、このお店の雰囲気はそれ自体がエンターティンメントになっていて、相棒のハナキンにピッタリでした。注文を運び終わるたびにウェイターさんが「ナニナニ、あがりぃ〜」みたいなことを叫びます。するとそれに対応する声がかかります。お客さんが誕生日のお祝いをしていると、急に店内が暗くなり、カウンターの板さんが拍子木をパンパンと叩いて呼び出しのような感じで「毎度ご贔屓に預かり、うんぬん」と始まり「本日は、だれだれさんのお誕生日を祝して皆様のお手を拝借」ということで店内全員シャンシャンと手拍子を打ちました。妙な音程で♪ハピバースデーツーユー♪と歌ってもらうより、ずっとクールな感じでした。

この日は私たちのテーブルの近くで「餅つき」の実践もあり、とてもラッキーでした。セルフォーンで撮ったビデオを載せてみます。

そう言えば、私の両親も丸木を繰り抜いた重い重い臼で「餅搗き」をしてくれましたっけ。60年以上も前のこと、その頃でも東京ではもう餅搗きをする家庭など周りにありませんでした。お金のかかることはいっさいやらない倹約家の母が費用のかかる餅搗きを積極的にしたことがいまだに不思議でなりません。いつもはケンカばかりしている両親が、この日ばかりは息を合わせた餅搗きをみせてくれました。父がショッと力を入れて重い杵を振り上げ、母が杵に打たれないよう手返しをする様子が新鮮で、まるで別の人をみているような気がしました。どうしていつもこんな風に仲良くできないのかな、と思ったような気がします。幼い頃良い思い出が少ない私にとって、これは大切な思い出だと今気づきました。