ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

週末に2本観ました

Magic in the Moonlight
ウディ(アーレン)さんの書き下ろし。1920年代の有名なマジシャンが霊能者と騙る若い女性を暴こうとする話。大したことはありません(笑)。しかし、ウディさんの好きなこの時代のジャズが流れて楽しく、さらに私にとっては女性たちのクラシックドレスがステキで‐可愛い綿のシフォンの縫製を体を乗り出してジーッと観察したり‐楽しさを増しました。足の長い中年ハンサムのコリンファース、彼のスーツ姿も様になっていましたし、南フランスの景色も非常に美しく、こういうお膳立てだけで楽しい作品です。

A Master of Building
この作品がイプセンの「棟梁ソルネス」を基にしたものであることを私は全く知らずに観ました。原作を読んだこともありません。芝居の好きな人なら楽しめたかも知れませんが、私はステージ用の脚本を映画にした作品を好みません。場面の変化が少なく、大写しの俳優が語る場面ばかりとなるからです。この作品も殆ど室内で棟梁と若い女性の会話で進行していきます。新劇によくある「なぜそういう考えになるのか」と私が反撃したくなるような会話が展開します。
イプセンは「人形の家」を子供の頃に読みましたが、あまり好きな作家ではないためか、この作品も途中から退場したい気持になりました(笑)。1点だけ発見したのは、妻役の女優(Julie Hagerty)が、意地悪な魔女のような顔付から優しいマリア様のような顔付きまで一瞬で変われる厚みのある女優であったことです。昔、コメディ映画Airplane(1980)でスッ呆けて薄っぺらな演技を見せていましたが、それは作品のせいだったようです。口の辺りに少しシワがでていますが、今でも美女の面影が残っていました。