週末に2本観ました

Kumiko: The Treasurer Hunter
Zellner兄弟の脚本監督。作品中Fargo(Coen兄弟製作)を取上げており、ダークユーモアと薄らっとぼけたシーンが入り混じる雰囲気はCoen兄弟の作風にソックリです。
主人公は、まるで脳の発育不全で二歳児程度の判断力のまま成人、そのまま社会に出てしまったような女性(あとで超自己中心サイコパスという異常性格の精神病者があると知りました。この女性はそのサイコパスそのもの)。
実際にいた日本の女性の話に触発されて創作されたようですが、実際の女性はサイコパスではなかったようです。

Deli Man
家業のデリカテッセン(デリ)を引き継ぐ2代目3代目の人たちに焦点を当てたドキュメンタリー作品。肉や魚の燻製、ハーフサワーピクルス(日本のキュウリの塩漬けに似た味)など東欧料理がたらふく食べられるレストラン兼惣菜屋みたいなものがデリです。7、80年以上前には全米で数千軒以上あったデリですが、今では百数軒に激減、現在も減る一方で完全に消えてしまうのも時間の問題のようです。

デリの経営者は、早朝から食品配達のトラックのチェック、その日の仕込み、雇い人への指示、接客などなど自分の時間がまったくありません。インフレで材料の肉の値上がり、労組や食品管理規定の厳しさなどから利潤も高くありません。そのため「好きでないと出来ない職業」だと作品の出演者が口々に言っていました。

私が米国に来た40数年前は、まだ街のあちこちにデリがありました。日本で厚さ1センチほどのペチャンコサンドイッチに慣れていた私は、パンの間に10センチ以上の厚さのパストラーミ(燻製肉)が挟まっているのを見て度肝を抜かされたのを覚えています。高い燻製肉をタップリ使う米国の豊かさにも驚きました。蛇足ですが、豊かさと言えば本物のアイスクリーム1パイントがスーパーで当時1ドル(現在は7ドルから10ドルほど)で、その安さに驚かされましたっけ。

私はヴィーガンになったのでデリの食品は殆ど食べられませんが、それでも昔ながらのデリがなくなっていくのは寂しいものです。今はデリに変わってファーストフードのハンバーガー屋とかフライドチキン屋とかインチキ寿司屋やなどが賑わっているようです。