NYの脱獄囚

10日ほど前に、NY州北部にある刑務所から二人の囚人が脱獄したというニュースは日本にも伝わっているかもしれません。笑ってしまったのは「電動ノコだかを使って脱出した」と聞いた時でした。まさか...音がするではないですか。このことについて、同刑務所に居たことのある元囚人が「この刑務所内は雑音が多く、電動器具の音ぐらい無視される」とTVのインタビューで答えていました。
電動ノコ、ノミその他必要な道具を二人の囚人に渡したのは刑務所内の縫製部門で働いていた既婚の中年女性。この脱獄囚、きちんとすればハンサムだということで(笑)、その魅力を利用したらしい。前述の元囚人インタビューによると「獄中の囚人が男性にちやほやされない女性に近づいて利用するのは常套手段」だそうです。その女性、ハンサム?な囚人に騙され、脱獄後は夫を殺す計画まで立てていたというのですから、まさにIDものです(IDとはInvestigation Discoveryという私がよく見る殺人事件ドキュメンタリー番組)。

10日経っても脱獄囚は見つかっていません。左図、刑務所は赤丸印。カナダ国境まで40キロもないので、もう国境を越えてしまっているかも知れません。
あとで知って、とても腹の立つことがありました。脱獄してすぐ大掛かりな捜査網を張らねばならない重大な時に、NYのCuomo州知事が記者会見を開いたのです。それもわざわざこの刑務所の前で行ったのです。新たに伝えることなど何もないのに自分のPRのための全く無意味な会見。無意味なことを言うだけならまだしも、この会見をするため、脱獄捜査につくはずの警官が州知事の警護に回され、そのほか捜査首脳が州知事の会見に出席せねばならず、捜査網は一時空白状態になり、その間に脱獄囚はどんどん逃げ去ったというわけです。
さらに驚かされたのは、この州知事、地元警察を邪魔してまで自分の傘下にある州警察が脱獄囚を捕まえられるように手配したというのです。先週土曜日に観たVendettaという映画で、汚職まみれの刑務所の所長とこの州知事が重なって見えてきました。こんな酷い状態の刑務所があるのも、こんな酷い州知事が汚職、職権乱用、賄賂、その他諸々汚いことやり放題だからでしょう。