ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Phoenix (2015) 観ました



ドイツ作品。ピアニストの夫と一緒に歌手として暮らしていたユダヤ人女性がナチスに捕まりユダヤ人収容所に入れられるが辛うじて生き残る。しかし顔に重症を負ったため整形外科によって前と違う顔に治される。それでも愛する夫を探し出し、元の生活に戻りたいと思っている。そんな可憐な女性が事実を知って失望していく様子を描いていきます。ちょっとイソップを思わせるシンプルさで上手く描かれている作品だと思います。女優の雰囲気もいいです。最後のシーンも言葉なく、彼女のドレスの赤がローランサンのようなボーっとした絵になって消えていのがとても印象的でした。

ただし、1つ気になる弱点があります。作品がよいので私としてはその弱点ををなんとか理由つけてカバーしたくなってしまいます。ここからはネタばれになるかもしれないので、この作品を観る予定の人はこの先は読まないで下さい。

夫が、自分の妻であった人を本人だとすぐ認識できないという点です。知人や友人は本人だと思ってハッとするのに夫であった人がそれができない。妻は絶対に死んだと確信していた、または罪の意識から無意識に生きていることを否定していた、と考えられないこともありませんが、どうも気になる一点です。