ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

先週1本、今週1本観ました

13 Hours:The Secret soldiers of Benghazi

リビアのBenghaziで起きた米国大使襲撃事件で母国からの救援がないまま戦った勇士たちの姿が描かれます。短い言葉の端々に含まれる深い意味が口惜しくもあり、レッドテープのもどかしさを嫌と言うほど思い知らされます。挙げれば限がないですが例えば(多少ネタバレになりますが)、襲撃中に助けを求めるCIA職員に電話の向こう(米政府職員)からその職分を訊いてきたり、襲撃されている米国大使を目の前にしながら、役職が違うためCIA傭兵が救助を差し止められたり、襲撃グループのスパイがすぐそこにいるのに武器を持っているか確認できないため撃ち殺せなかったり等々、戦場において戦っている兵士にまで「平時の市民のように振舞え」というレフティストのあきれるほどの非常識がまかり通っている現状を見せ付けられます。これでは味方の兵士に死ねと言っているようなものです。
この作品では政府の責任者を言及していません。もちろん国務長官と大統領なのですが「アメリカ」と国名を口にするだけで、ヒラリークリントンとオバマの名は伏されています。
レッドテープの和訳を調べたら、こうありました:

繁文縟礼(はんぶんじょくれい)
規則が細かすぎ、煩雑な手続きが多く、非常に非能率的な状況を指す。膨大な公文書を束ねて保存するために使われる赤い紐が転じて、レッドテープ(英語: red tape)ともいう。

The Revenant


実際に熊に襲われて九死に一生を得た人物の話を元にしていますが、事実とは異なる物語となっているようです。サバイバル物語は、残酷な現実性を帯びた生き延びる手段をこれでもかと見せる作品が多いような気がします。この作品も、またネタバレになるかも知れませんが、何もないところから火を起こして焚き火をしたり、傷口を焼いて消毒したり、野の草の灰で切り傷を癒したり、野で生き延びる方法を見せつけますが、生魚や血溜りの生肉にかぶりつくシーンがちょっとわざとらしく、もう少し自然にならなかったものかと思いました。現実と幻想の交差するシーンは私には反って邪魔な気がしました。巷の評判は高くオスカーにノミネートされたようですが、父子の愛情も画面からはあまり伝わらず、私には過剰評価されている作品に思われました。