The Finest Hours観ました

The Finest Hours


1952年に実際にあった話を元にした作品。予告編を見た時「あんなチッポケなボートで、でっかいタンカーの乗組員を救助に行くなんてバカバカしい」と思い、またハリウッド臭い陳腐な場面があったので見る気がしませんでした。しかし巷の評価も悪くなく相棒が興味を持ったので見ることになりました。
見てよかったと思いました。実際の作品では陳腐な場面は少なく、荒れ狂う海の特撮も臨場感を出していて救助活動の壮絶さが伝わってきました。私はいつも、自分の命を顧みず他人の命を救おうとする使命感の強い人間(兵士)がいることに強く感動します。私自身がそういうことをしない人間だからです。映画などで実際にそういう人がいたことを知るのは感動的です。この作品では演出もヒーローぶりを前面に出すことなく抑えて終わっているので好感が持てました。
(以下ネタバレあり)
救助に使われたボートはCG-36500 rescue boat。36フィート、たった10メートル足らずの小舟。主人公は当地の海を知り尽くした素晴らしい沿岸警備隊員で、荒れ狂う海の大波の中で木の葉のように弄られるボートを操る腕は神業としか思えません。その積載量は最大でも約12人。そこに救助した32人と4人の救助員を含めると36人が乗り込んだのです。コンパスもないボートで、救助はされたものの凍りつくような寒さの海の上、皆どんな気持で乗っていたかと思います。しかし経験豊富な主人公はボートを季節流に任せ、奇跡的救助を可能にしました。

余談:
私が感じた陳腐な箇所とは主人公のガールフレンドが沿岸警備局長にとった行動です。この部分は事実とはまったく異なるそうです。実際には、救助当時、ガールフレンドではなく既に主人公と結婚して奥様でした。しかし、この奥様、旦那様が歴史的な奇跡的救助を断行している間、風邪を引いて家で寝込んでいて、他人から夫の武勇伝を知らされたそうです。ハリウッドの脚本家は「これじゃ映画にならん」とロマンチックなつまらん筋書を考えたようです。しかし、この作品の筋書だと救助の指令を出した沿岸警備局長が見方によっては悪者にされているように思えてしまいます。局長の決断がなかったら、指令を出さなかったら、この救助はなかったはずです。感謝すべき人物の一人のはずですが、それがうまく表現されず、脚本に未熟さを感じました。