ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Rebel in the Rye 観ました

先ずは私の悪い癖である余談の前書きから。

私が十代後半の頃だったと思います。J.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて ("The Catcher in the Rye")』と言う本が新聞などで褒めたてられ、話題になったことがありました。馬鹿な私は噂の本を読んでみたくなり、わざわざ電車に乗って、とある本屋さんまで行き、正価で購入していそいそと持ち帰りました。そして最後まで読んでみて「何だこれ!」と無性に腹が立ち、その本をゴミ箱に投げ捨てたもんです。文字通りドサッと投げ捨てました。私は本を捨てるなんてしない人間なのですが、噂に乗っかってしまった自分の馬鹿さ加減に余程腹が立ったのだと思います。もう本の内容はよく覚えていませんが、自分勝手な奴が何やらかんやら不満をぶちまけていたように思います。勿論、日本語の翻訳なので原文のリズムもジョークも伝わってきません。何しろ、もうサリンジャーという名前が嫌になって今に至ります。

Rebel in the Rye

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この作品はサリンジャーの本ではなく、サリンジャーの生涯についての映画です。相棒が見てみようと言うので、あんな嫌な作品を書いたヤツが出来上がった背景には何があったのかと思ってみてみました。

サリンジャーは第二次大戦でDデイで戦った兵士の一人でした。あの苛酷で恐ろしい死者の数を出したノルマンジーの戦いで精神をおかしくしたようです。

人嫌いになり何事も「インチキ」と毛嫌いする気持は分からないでもありませんでした。しかし、そういうインチキなやつらが彼の才能を賞賛し本にして売り出したのだから皮肉です。ま、執筆家とか芸術家は一癖も二癖もある妙な性格の人が多いから、サリンジャーもその一人ということだろうと思います。