Loving Vincent
ゴッホの個性的な筆のタッチをそのまま表現、彼の色々な絵が各シーンに現れるので、ゴッホファンにとっては美味しい作品になっています。
最初に人間を使って撮った作品に後からその一コマ一コマを絵の具で塗ったように仕上げる、という試みをしていると思います。回想の場面では白黒になっているのですが、絵の具を塗る手間を省くための苦肉の策であろうと推察しました。
私はスクリーンの絵に目が行き「この塗り方は雑だ」とか「これは同じ人物を違う人が塗ってる」など絵の出来具合が頭をかすめ、セリフを無視したりしていました。
この作品ではゴッホの死ぬ前後の様子から、自殺でなく愚かな事故であっただろうと思わせるストーリーとなっていて興味をそそります。どちらにしろ、これだけの才を持ちながら何とも不運な生涯を送った画家ではある、と思わずにはいられません。
作品としては、画面が少し雑過ぎました。もう少し時間を費やして綺麗な作品に仕上げて欲しかったです。