ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

秋風とPETスキャン

今朝早くPETスキャンを受けに行きました。通院の際はいつも相棒が勤務時間を割いて付き添ってくれます。今朝もいつもより2時間も早く起きて一緒に来てくれました。果報者とは私のことです。

PETスキャンで注入される糖質も放射性で、癌細胞をスキャンする専門の検査室は地下9階にあります。エレベーターで降りていく時、何となく核戦争の際に避難する秘密地下基地に下りて行くような気になりました。

検査の6時間前から何も食べないようにと注意されていました。それで看護婦さんが最後に食事をしたのはいつかと訊くので「昨日の午後2時」と答えると「あら、夕飯は食べてよかったのですよ。お腹空いたでしょう」と同情されました。私は「ま、念のためきれいにしておきました」と言っておきました。身体全体をスキャンされるので、腸内もバッチリみられるわけです。ワタシャ、腸に大便が溜まっているのをみられるのは避けたいんです(笑)。

そう言えば、昔々、まだ明治生まれの老人が多く残っていた頃の話です。自分の死期を察した明治生まれの老婆が敢て食事をしなくなり、死んだ時は腸から何も出ず「あのお婆さんの死に際はきれいなもんでしたよ」と看取った人が言っていたのです。まだ4~5歳の私でしたが、死ぬと周りの人が死んだ人の腸内をきれいにするため脱糞を促すのだ、と知り、生死の裏を学んだものです。そして明治気質という、私には真似できない高貴な精神を心したものでした。

糖質を注入されて45分間待ち、スキャンは10分ほどで終わりました。2時間はかかると覚悟していた私にはあっけないほど早く終わりました。

相棒と一緒に外に出ると、秋深まった寒風が黄色くなった葉をハラハラと落としていました。

Petスキャン終え 明治気質と 秋風と