ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

11月末に2本観ました

Darkest Hour

f:id:nykanjin:20171202092430p:plain

この作品はチャーチルの苦悩に焦点を当てています。このところ第二次大戦の同時期を背景にした作品「Dunkirk」や「The King’s Choice」それにこの作品と三作が続けて公開されました。Dunkirkは窮地に陥った英軍兵士たちに、The King’sはノルウェーの王に視点を当てています。三作観ることによって三方からの視線で当時を感じることができ、窮地にあってもドイツ軍に屈しなかった誇りが骨子にあることが分かります。

Gary Oldmanはメイクなしでも興味ある演技の出来る俳優ですが、顔が判明できないほどの特殊メイクにも常にチャレンジしているように思います。今回もOldmanであることを忘れるほどの特殊メイクがシームレスに施されていました。

小さな映画館はチャーチルを尊敬する人たちで埋まっていました (私は日本人なので、チャーチルが英国にとってどんなに素晴らしいリーダーであり面白い逸話を残していたとしても、アジア、日本を低く見ていた点に引っ掛かることは否めません)。

さて驚いたことに、相棒が観客にアランアルダ夫妻を見つけました。前にも書きましたが、私はアルダ氏と街でよく会うのです。今回は相棒が気が付きました。一般の人と変わらないつましい姿で飾らない態度が爽やかな俳優です。アルダ氏はレフティストではなく、真のリベラル派なのだ思います  (まるで真逆の主義に思う人もいるかも知れませんが「真のリベラル派」と「保守派」には共通する点があるのです。このことについてはその内ブログに書きます)。

観終わった後で外に出たら、アルダ夫妻が中年女性二人と立ち話をしていました。多分、ファンである中年女性たちに捕まってしまったのかも知れません。しかし、まるで知り合いと立ち話をしているような感じでニコニコと話していました。

 

The Man Who Invented Christmas

f:id:nykanjin:20171202092737j:plain

相棒がディケンズのファン。数年前マディラ島に行く途中ロンドンに立ち寄った時、訪問予定地に「チャーチルのバンカー」と「ディケンズの家でクリスマスキャロルの朗読を聞く」をしっかり組むほどです。

この作品、クリスマスキャロルが書き上がるまでの過程をコメディタッチで軽く仕上げています。ディケンズに詳しい人にはその軽さの中に重み深みを見抜きながら観賞できると思います。

ただ、私はこの作品の「解釈」が気になってなりませんでした。クリスマスキャロルは骨格がしっかりしていて最後のドンデン返しがミソ。このミソがなければこの話はこれほど人々に受け入れられたとは思えません。ディケンズはそのドンデン返しを書くために色々肉付けしていったと思うのです。しかし、この作品では最初に話が始まり、ドンデン返しは後から考えられたようになっているのです。ま、コメディ調の作品ですから深く考えない方がいいのかも知れません。

後から相棒が話してくれたのですが、ディケンズは親が二人揃っていたにも拘らず、子供の時に見捨てられ、強制的に働きに出されて惨めな少年時代を過ごしたそうです。その子供の頃の惨めさがディケンズを培ったようです。