Loveless 観ました

Loveless

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ロシア映画。モスクワに住む離婚間近なカップルの息子が行方不明になる話。

この作品、私の忘れていた幼いころの切ない記憶を思い起こさせたため、感想はかなり個人的で感情的で偏ったものになってしまいました。

出だしから私はこのカップルに腹が立ち、胸糞悪くなりました。お互いに憎しみ合い、小学生の息子の前で口汚く罵り合います。二人とも既に半同棲状態の恋人がおり、二人が住んでいた家は売りに出している最中。その売りに出している家に小学生の息子がいるのですが、母親は恋人の家に入り浸りで、家に戻るのは夜遅く寝に帰るだけ、朝も息子に朝食(シリアルみたいな簡単なもの)を嫌々用意し、早く食べろとガミガミ怒鳴り散らす始末。息子は朝食を食べる気にならずに出かけて行きます。

この母親、家が売れたかどうかたまに確認にくる夫とは離婚後の生活に邪魔な息子をどちらが引き取るかでお互いに押し付け合い怒鳴り合うばかり。

ある日、母親が恋人の家から息子のいる家に戻った翌日、学校から電話があり、息子がもう2日も学校に来ていないと告げられます。この母親、夜遅くに戻り、息子は息子の部屋で眠っているものと決めつけ様子を見ることもなく自分の寝室へ直行、朝起きた頃も息子が部屋に居なくても学校へ行ったものと思っている非情な女で、それでも、やっと息子が行方不明になったと気付いて警察へ連絡します。もし学校から電話がなければこの母親は息子のいないことに何カ月も気付かずにいただろうと察せられます。

あるシーンが私の胸を打ちました。両親の罵り合いに耐えきれなくなった息子がトイレに隠れたことにも気づかず、トイレのドアを開けて用を足し、またドアを閉めて出る母親。閉められたドアの陰に息子がいました。男の子は心の激痛に泣き叫んでいました。しかし男の子のくしゃくしゃな泣き顔の大きく開けた口からは声がでていません。私にはその劈くような叫び声が胸に届きました。声の出ない男の子の泣き叫ぶ顔が心に焼き付きました。自分は要らないという両親の罵り合いが、孤独な男の子にはどんなに辛いだろう、悲しいだろう、切ないだろうと思うと、私も幼い頃、似たような気持になったことがあるので顔が歪んで泣けてきました。

この作品は殆ど男の子を探すことに終始しているので、男の子はどこにいるのだろうか、生きているのだろうか、死んでいるのだろうか、と思い巡らしながら観ていました。

こんな親が世の中にはたくさんいるのだろうと思うと、やりきれないです。こういう人たちは絶対に子供を産んではいけないと思います。私の母も私を産んではいけなかった。この作品、私は早く忘れたいです。