ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

寂しい母

急に日本の母から泣くような声で電話がありました。日本時間の朝の6時頃だと思います。

「寝られなくて...寂しくて...お前も一人だったことが多かったから寂しかったんだろうね...90近くまで長く生きているとは思わなかった...耳も悪いし頭も悪いし...息子や義娘に迷惑かけてつらい...お前はなんでそんなに遠くに行ってしまったんだろうねぇ...」と、私が相槌打ってもゼンゼン聞こえないようで一人で喋ってました。

「聞こえるぅ?!」と訊くと「え、聞こえない」と言うので、耳が遠くなっていて、こちらの言ってることは殆ど聞こえてないようでした。喋りたいだけ喋らせてあげました。

朝早くに起きてしまって、話す相手もいなくてこちらに電話してきたのだと思います。誰も話す人がいないからって国際電話までしてくるってのも何だかなぁ、とは思います。

私は若い頃から一人で寂しいことが多かったのですが、それが今となっては良かったと思うようになりました。寂しさに強くなったのです。今はソウルメイトの相棒がいるので精神が満たされています。若い頃、兄弟姉妹や友達とワイワイ楽しく過ごしてきた人は、老いて一人になるとその寂しさに耐えられなくなるようです。

昔、私の寂しさを母は分からないと思っていました。ところが今、神様がその寂しさを老いという悲しさと一緒に母に嫌と言うほど分からせようとしています。神様、もういいです。私は母を恨んでいません。どうか母を楽にさせてあげて下さい。