ここまでに訪れた町はコッツウォルズ地区外にありましたが、これから、いよいよ自然美地区であるコッツウォルズに入ります。地図の赤点を繋ぐ赤線が今回の旅の行程です。
バ-フォ-ド
コッツウォルズでの宿は静かな町バ-フォ-ドにとりました。落ち着いた住宅地の一角にあるホテルは、朝食付、パーキング無料、部屋代も安く、最高の条件。エアコンはないけれど、朝、窓を開ければ新鮮な空気が入り込み、緑の中から鳥の囀りが聞こえ、心を和ませてくれます。
可笑しかったのは、この古きホテル、早朝に火災報知器が鳴ったり(誤報でした)、雷雨の翌朝、電源をやられてポンプが作動せず、水が出るまでに修理で3時間ほど待たされたりしたのです。しかし古寂びた好みのホテルでしたので、さもあらん、ゆったりした旅程でしたので焦ることもなく、特に不満は感じませんでした。
町の建物は殆どが中世の石造りで荘厳な感じさえします。町の中心は丘になっており、なだらかな坂に沿って家々が建っているのも美しさの一因です。緑が豊富で街路樹はどの木も豊かさに溢れ活き活きとしており、古い石造りの家は管理が行き届き、庭もきれいに手入れされて美しい花が咲いており、伝統が連綿と守られている感じがしました。
← 北から町に入ると商店やレストランの連なる表通りに出ます。
盛り場のような雰囲気はなく、カメラを提げた典型的な感じの旅行客も居らず、とても感じのよい町でした。
藤棚で壁を飾った家が数軒ありました。この家には薄紫の藤の房が沢山連なっていて、特に美しかったです。写真の添付はしませんが白い藤の房が連なった家もありました。
そこを過ぎて南に行くと上り坂になっていて、瀟洒な家が建ち並ぶ静かな住宅地となります。
暗くなってからの窓に明かりが灯ると、またいい感じです。
私は特にこの坂になった辺りの緑や家並みが気に入りました。(我ながらひどく五頭身です。頭でっかちなのでもし痩せたとしても五頭身なんです)
ちょっと表の道から路地に入ると、これまた美しい町並みが続きます。
こんな静かな、人通りのないような路地ですが、可愛らしいレストランが2つあり、その中は客で賑わっていました。
私たちも滞在中その2つのレストランで夕食をとりました。味はまぁまぁでしたが雰囲気はとても良かったです。
そこを過ぎるとこれまた瀟洒な家が続きます。この町はどこまでもきれいです。
これは別の路地。高級ホテルがありました。目立たないようにあるので、知らなければそのまま通り過ぎてしまいそう。
この建物の壁も藤の房でデコしてありました。その房の中に鳩が巣を作っていたらしく、私が近づくとブホー、ブホーと低く鳴いて人間を追い散らそうとしてました。
鳥が低く飛び、近くで囀ってくれるのも、何とも言えない昔の田舎の自然との近さを懐かしむような気分にさせてくれます。
嘴だけ明るい色であとはくすんだ黒っぽい羽のこの鳥がきれいな声で囀ってくれるのです。朝も晩も。
静かな路地だけでなく賑やかな表通りにあるレストランでも食事をしました。
この写真の店はとても美味しくて安かったです。2階にあるテーブルに着きました。天井はハーフティンバーで、低いビームに金文字で面白いシャレが書いてありました。
Duck or Grouse そのままだと『アヒルにするかライチョウにするか (どちらも食用の鳥)』となります。裏の意味は duck は首を引っ込めて屈む状態、grouseはギャーと喚くことを言うので『屈むか、それともイテテッと声をあげるか』ということになります。ビームが低いから頭をぶつけないようにということ。
このレストランの2階から外を見た所。
細かいガラス枠が昔風でよい雰囲気を出しています。
この町はコッツウォルズの古い気品を保ち、伝統ある美しさを見せてくれるステキなところでした。