ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

シニアモーメント

ちょっと度忘れなどした時、冗談で「あ、ちょっとシニアモーメントになって...」などと惚けて言い逃れしますが、きょう、私が出会ったのは別な意味での「悲しきシニアモーメント」でございました。

バスに乗ったら、立っている人もいるのに手前のシルバーシートが1つ空いていました。バスはもう動き出していたので、よろけないよう一寸だけ腰掛けて、パスをバッグに仕舞ったら、また立って奥の方へ行こうと思っていたのです。ま、60歳代ではありますが、シルバーシートに堂々と座るほど老けちゃいないぞ、と自分では思っていたのです。

次のバス停で70歳ぐらいの老人が乗って来ました。あ、こりゃ、立たねばと思ったのですが、老人であっても男性の場合、女性が席を譲ることに抵抗はないものかと少し躊躇していたら、あまり身なりの立派でないその老人、私の隣に座っている20代の女性に席を譲るよう頼みました。それで「あ、私が立ちます」と言って私がセカセカと立ち上がると「あ、あんたはいい、いい、座ってなさい」と言うのです。え?! つ、つまり、私は中高年だから座っていなさいというわけです。それなのに私ったら、若いつもりで立ち上がってる(笑)。

ま、中高年でもシルバーシートに座る気のない私は、そのまま立って奥の方へ行きました。席は空いていませんでしたが、立つところは空いていて楽でした。ふと、前に座っている女の子の足が私の足を叩いたので、咄嗟にアッと足を引いた私に「ごめんなさーい」と言うその女の子を見たら、16歳ぐらいのなんとも美しい女の子でした。私は思わずニッコリして「いいの、いいの」と言いましたら、女の子もニッコリ。そして、そのあと「あの、座りますか?」と私に席を譲ろうとするのです。「いえ、いんです、いんです」と断りましたが、あの老人といい、この美しい女の子といい、私をシニア扱いしとる(笑)。61歳7ヶ月はシニアか!(笑) いま、ちょっと悲しい気分になっております。