ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

不可解な人

世の中には、あまりに自分勝手で、どうにも理解出来ない感覚の人たちがいますね。なるべく、そういう人たちとは遭遇しないようにしたいですが、毎日の暮らしで避けられない場合もあります。

きょう、義母の病室に居たら、隣のお婆さんに中年女性の見舞客が来ました。お隣さんはドアの近くで、大きな画面の平たいモダンなテレビがあります。義母は窓の近くで、テレビは小さくて古いブラウン管型です。

大きな画面のテレビの傍に枯れ果てた花の花瓶がありました。花瓶の水は腐った臭いがしていてハエが舞っていました。中年女性が入って来た時、私はニコニコしてお辞儀したのですが、それが反ってよくなかったようです。私をお手伝いだと思ったのか、その女性は私に向かって「この花は誰のだ?」と訊くのです。誰のだって、隣のお婆さんのに決まってるじゃないですかねえ。私がお婆さんを指差して「彼女のじゃないですか」と言ったら、仕方なさそうに水を替えていました。しかし、もう枯れ果てて花冠は腐って垂れ下がり、葉は乾いてチリチリと音をたてて落ち始めているのに、水を取り替える?んですかねえ。

この人の判断力を疑っていると、この人はまた私に向かって「これ、その窓に置いていいかな」とゴミのような花瓶の花を持って来るのです。私はあっけに取られて「ちょっと、あの、その花、もうお終いですよ(They are gone)」と言ったら「捨てた方がいいかな」だって...。あったりまえでしょうが。「私のオッカサンのところにハエが舞ったりしたら困るんですよ」と言うと「水取り替えたからハエはこないよ」と言うのです。「捨てたらいかがです」と言うとやっと捨てていました。ゴミのようなので自分の方のテレビの前に置くのが嫌で、こちらの窓に置けというのは、いくらなんでも酷いですよねえ。この人、どこまで私をバカにしとるんかと気分悪くなりました。

帰り、バス停では50人ぐらいの人たちが列を作って並んでいました。ヒェーッ、ビックリ。夕方5時過ぎで、仕事を終えた人たちが帰る時間でした。私はバスを諦め、歩くことにしました。東側の端から西側の端までセントラルパークを抜けてマンハッタンを横切りました。パークの木々は少し黄色に色づいているものもありました。夕暮れに明かりのような透明な黄色がとてもきれいです。でも、きれいな黄葉を見ても、気分は晴れませんでした。

アパートについて、エレベーターに乗ったら、乳母車に乗った可愛い男の子がニコニコするので、私もついニコニコしてハーイと言ってしまいました。すると男の子は嬉しそうにハーイと返事してくれました。私が降りるとき、愛嬌たっぷりな笑顔と一緒に可愛いモミジみたいな手を振ってバイバイをしてくれました。気分が晴れました(嬉)。