ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Anonymousを観ました


吹雪いた日の夕方、Anonymousを観ました。シェイクスピアという人については、いろいろと疑問があって、本当はゴーストライターが居たとか、複数の人間が書いていたとか、他にもいろいろ想像をめぐらした噂がありますが、この作品では、その噂の1つ、別の人間(貴族)が書いたものをシェイクスピア(平民)が自分の名前で発表していた、という話を掘り下げています。途中までは想像できる話なのですが、後半、大変興味深い展開となり、私は思わず開けた口を手で押さえるほどでした。面白かったです。

作品の難を言えば、遠距離画面がCGと分かるのがヤボでした。別に膨大な遠距離画面は必要ないように思いました。それとこれは老婆の私の趣味の問題ですが、若い頃のオックスフォード伯爵を演ずる役者が下品な顔で嫌でした(笑)。もうチョット貴族的な顔の役者が居なかったものかねぇ。それと監督の趣味がホモではないかと疑わせる場面がチョロチョロあった(笑)。これも老婆の勘繰りかも知れませんけど。

ストーリーからはズレますが、作品を観ていて私が気になったのは、オックスフォード伯爵が左耳にイヤリングをしていること、化粧(特にアイライナー)をしていること、またエリザベス女王の歯が黒く、あの頃の英国でも鉄漿(おはぐろ)という風習でもあったのかしらん、などなど疑問が湧いてきました。

イヤリングについては、相棒が、イヤリングをした17世紀の貴族の絵画を見たことがあると言っていましたし、実際ウェブでブラウズすると、なるほどイヤリングをした絵が見つかります。この頃の王室も貴族も化粧をすることは聞いていましたが、しかし男性がアイライナーまでしたのかなぁ。

エリザベス女王の歯ですが、鉄漿でなく、甘いものが好きな彼女は歯が悪かったのだそうです。のちに抜歯をしなければならなくなり、抜けた歯に綿を詰めたりしたそうです。17世紀はまだ「歯磨き」についての知識がなかったんですねえ。