ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Emperor 観ました

ハリウッドが日本や日本人を扱うと、見下した目線で変人扱いするか、反対に日本贔屓の場合、壊れ物のように押し擁き、見ている方が恥ずかしくなるように扱う作品が多いため、観ずにパスすることが多いのですが、戦争の背後の動きに興味のある相棒がこの作品を見る気になったので相伴いたしました。


この脚本、日本人が書いたのか?と思わせるほど当時の日本の立場を弁護したセリフが出てきます。そのためかどうか、製作にあたり、皇居前での撮影が許可されたそうですね。実話を元にした作品のようではありますが、陳腐なラブストーリを絡ませるところが垢抜けなくて残念です。ハリウッド、いつまでたっても古垢が落ちません。

敗戦直後の天皇の措置についてマッカーサーが下した決断は世に知られるところですが、あのような決断に持って行くための助言をした軍人がマッカーサーの配下にいたことは知りませんでした。この作品、マッカーサーという人物さえ知る人が少なくなっている米国で、ましてや日本の立場などに興味ある人はいませんから、すぐ忘れられてしまうと思います。

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日本人の私は別のところに興味がありました。昔知っていた俳優の現在の姿を見ることができたことです。

夏八木勲、顔が小さくなってしまっていましたが、老い崩れしてない、きれいに老いた顔をしているなと思いました。昔、日本に居た頃、夏八木さんが英語を話すシーンを見て「トヒョー、かっこええ」と驚いたことだけ憶えています。あの頃、日本人は英語を話す時、何となく態度が変わる人(何か特別なことでもしているように見せびらかすような暗に卑屈な感じなんですけど、ピッタリした言葉が思い浮かびません)が多かった中、とても自然な態度で喋ったのです。

火野正平君には笑ってしまいました。演技に笑ったのではありません。誤解のないよう説明いたしますと、昔々「何とか童子」というテレビシリーズに現代風ロングヘアーのまま出ていた10歳ぐらいの二瓶(火野)君、涼しげなタレ眼の男の子で、可愛くて可愛くてファンだった私なのです。「ありゃりゃ、こんなになっちゃったんだぁ」年月は非情だなぁと一人笑ってしまったのです。