ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

週末に映画2本観ました

Nebraska
主人公の老人役にはGene Hackman、Robert De Niro、 Robert Duvall、 Jack NIcholsonなど大型俳優の名がリストアップされていたそうですが、ペイン(Alex Payne)監督は最初からブルースダーン(Bruce Dern)が頭にあったという話です。

ペイン監督の期待通り、ダーンが会心の好演をしています。本人はひどく真面目なのに傍目(はため)には可笑しいという演技は、ややもするとワザとらしくて分かってしまうこともあるのですが、ダーンは完璧にこなしていました。彼を囲む人々も、まるで本当にその辺の町の人かと思うほど自然な雰囲気がでていて、可笑しさを更に増しています。出演者全員がペイン監督の思惑を完全に理解しているかのように思われます。

御伽噺のような孝行息子がでてきますが、あまりに哀れな状況がそれで救われ、最後は笑って終るイイ話です。白黒も効いています。今年の映画では、私はこれが一押しです。


Dallas Buyers Club
贅肉など一かけらもないMatthew McConaugheyがこの役作りのために減量、それも25キロという危険な減量をし、ハンサムだった顔が骨と皮で老醜さえ感じさせ、その姿には迫るところがありました。 が...

実在した人物の主人公は、麻薬とギャンブルとセックスに溺れ、私にはとても同情できる人間ではなく、作品ではそれに輪をかけた酷い人物に描かれているため、エイズにかかっても感情移入することが出来ず、最後まで嫌な気分で観ていました。主人公を少しでも好きになれないと映画の面白さが半減します。

一つだけ主人公に賛同したのは「連邦政府FDA(食品医薬品局)は賄賂汚職まみれで国民のためでなく自分たちの利益のための規制をしている」という点。

余談:この作品では若手俳優Jared Letoのゲイ演技も話題になっているようですが、演技し易いのか、ヘテロ俳優のホモ役演技で感心させられることって多いです。