ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Art and Craft 観ました

Mark Landisという不思議な絵描さんのドキュメンタリー。模写が好きなLandisさんが安い絵道具を使って有名な画家の作品を物凄い速さで模写していく様子は非常に興味深いです。そしてもっと興味深いのがLandisさんの行動。自分の描いた模写を、親の遺品で「本物」であると偽り、町の小さな教会や美術館などの団体に寄付し続けるのです。

お金を取るわけでもないのでLandisさん自身は犯罪を犯しているとは思っていません。本物であるかどうか調査するほどの疑いを持たない小さな町の団体に寄付するので、模写であることは20年もの間、知られずにいました。ところが、それが模写であることを偶然知ったある美術館の一人の男性が「これはけしからん」ということで、あちこちの団体に連絡して模写であることを知らせ、またLandisさんの行動を止めようと努力します。

Landisさんの印象は、歩く姿勢とか生活態度に「サヴァン症候群」や「アスペルガー症候群」を思わせるところがあります。話し方は静かで、少し高音の声で弱々しいほど優しく話します。ただし、聞いてみると、話し方も内容もしっかりしていて普通の人より知識があるようにさえ思えます。人を騙しているのに何だか嫌いになれないLandisさんの風貌は不思議な感じがします。

パッと見にはアイゼンハワー大統領に似ていると私は思ったのですが、相棒は似ていないと言いました。アイクから知性を抜いて痩せさせるとこうなるのでは...(笑)。
(写真:右がアイク、左がランデス)