ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

なるべく親切にしないこと

NYで人に親切にするには自分に自信がないとダメな時があります。引っ込み思案で言葉につまる私には、してはいけない親切をやってしまいました。
明日はスノーストーム(吹雪き)になるという予報で外出が出来なくなるため、きょうのスーパーはいつもより人出があり、私が出かけた午後2時過ぎにはショッピングカートがたった1つ残っているだけでした。
「スーパーも稼ぎ時だな」っとのんきな事を思いながらそのカートを使おうとすると、そばで床を掃いていたおじさんが「そのカート、うまく動かないよ」っと教えてくれました。よく見ると車の部分が紐で結ばれていて応急処置がしてあるようでした。「そんじゃ仕方ない」と素直にそこを離れようとしたら、おじさんが「もうすぐレジにあるカートが空になるから待ってれば」と言うので「そんじゃ待とうかい」とそこに突っ立っていました。
すると小奇麗な30過ぎのアジア女性が女の子を連れてやってきてそのカートを使おうとするので、いつもなら知らんぷりする私がなぜか仏心を起こしてしまい「そのカートうまく動かないですよ」と教えて上げました。インビザのせいかモガモガ言ったのが分からなかったらしく、その女性、忙しいのにうるさいババァだとばかり「え、なに言ってるか分からない」と険しい顔するのです。私はこの人日本人かしらと思って今度は日本語で同じことを言って車を指さしたら、むっとしたような顔で私をしばらく見ていました。英語で言えとでも言っているようでしたが、態度が大きく、顔を険しくするこの女性が嫌になった私はもう喋ることを止めてしまいました。一緒にいた女の子は5歳ぐらいでしたが、私が最初に言った時、意味が分かったようで車を見たりいじったりしていました。そして女性は「何言ってるかさっぱりだわ」と女の子を連れてカートを引っ張っていったのですが、途中ででカートを放り出していきました。やはり動きが悪かったのでしょう。
人が親切に言っているのに、あんな嫌な顔する人もいるんだなぁ、と気分が悪くなりました。ま、お節介をすると怒る人が多いNYに長く住んでいるのに、お節介をした自分が悪いと思って反省。人にはなるべく親切にしないこと、と自分を戒(いまし)めた次第です。