ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

神様と話す

私の場合、「神様」とは具体的に人の姿をした偉いお方、という感覚はありません。何というか、運命を決める力(エネルギー)のようなもので、それを便宜上神様と表現するだけで、他の人が崇拝する神様とは違うかも知れません。神を善とみることもしません。何事にも表裏があり、善と悪も対になっているから、悪が続けば善が出てきて、神が罪を罰する、或いは辛い努力が報われる、というような気になるんじゃないかと思います。
最近は、ちょっと失敗などすると、これも運命で次に来るものの布石なのかも知れないと思うことがあります。そして次に「なるほど」と思うことが起こって妙に納得したりします。
例えば、コップを割ってしまって、買いに行くと、とても安くて良い感じのコップが見つかったり、床に何かこぼしてしまって必死に汚れをとったら、最近掃除を怠けていて汚かった床がきれいになったり、等々。

先週の日曜日もこんなことがありました。夕方、まだ陽があったのでセントラルパークまで散歩に行こうと夫婦で出かけたのです。雨の予報はなかったのですが、コロンブスアベニューを歩いていたら雨雲が出てきて最初ポツポツと降っていたのに夕立のようになり、近くの店の軒下でしばらく雨宿りしていました。小降りになったので歩きだしたら、また強い雨が降ってきたのです。もう散歩は諦めた方がいいかなぁと二人で顔を見合わせ、目の前にあったレストランのメニューをみて、タコ料理があったのでそこで夕食することにしました。
そのレストランはいつも通り過ぎるだけで気にも留めた事がない店。ところが何とタコ料理だけでなく、注文したものはみな美味しいのです。スペイン風の地中海料理屋でした。飲み物のサングリアも口当たりが良く、悪酔いもしなかったです。
「ああ、神様が私たちをこの店に入れるために夕立を2回も降らせたんだねぇ」と相棒と一緒に合点がいった次第です。
マンハッタンでは珍しく一皿の量が多く、サーモンバーガーを半分残してしまい、持ち帰り用に包んでもらったのですが、それを翌日の朝、冷蔵庫から出して食べたら、それがまたとっても美味しいのです。凄く良心的な食材を使ってくれているんだなぁと思いました。店の現在のChefがずっとこのレストランに居ついてくれるといいのですが、Chefは板前さんと同じで腕を磨くためにアチコチの店を渡り歩くのが常。ま、美味しさを楽しめる間に充分楽しんでおくしかありません。