ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Peterloo 観ました

Peterloo

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1819年、マンチェスターの St. Peter’s 広場に集会した民衆に起こった惨事を描きます。

Waterlooの戦いで勝利した英国で産業革命がさらに進み、農民は農地にかわる工場で低賃金で働くことを余儀なくされます。日々の暮らしに困窮していく中、貴族議員たちのさらなる課税や生活必需品価格の上昇を煽る政策に我慢の出来なくなった中産階級と低層階級の人々、老若男女家族連れで数十万人が議会の改正を求めてセントピーターズ広場に集会しました。この作品では王様や貴族の理解のなさ非情さが描かれています。マンチェスター訛りが強いのですが、言ってることは史実を知っていれば何となくわかります。

私は画面の美しさに惹かれました。監督も光のさす方向をかなり意識した様子があり、画面ごとにフェルメールの絵を彷彿させます。19世紀初期の衣装がリアルです。大画面なので素朴な麻や綿の布地、草木染のような色合い、手縫いの柔らかさが手に取るようにわかります。今より機能的な作りでいろいろなボタンや帽子のデザインにもとても興味を惹かれました。コスチューム部門で賞を上げたい作品です。

余談ですが、相棒によると、この惨事の反省から徐々に英国議会に変革が起き始めたということです。犠牲者は無駄死にではなかったと知ったのが救いです。