ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Ága 観ました

Ága

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どこまでも広く一面に白い雪が積もり、どこが地面でどこが水面か区別もつかない、一年中雪と氷に閉ざされたツンドラ地帯にポツンと1つだけ身窄(みすぼ)らしいユルト(小屋)があり、そこに老いたヤクート(サハ)族の夫婦が1匹の犬と住んでいるという設定。

セリフはヤクート(サハ)語。二人の間の会話も少なく、時々交わされる言葉は静かで詩を読んでいるかのようです。それでも夫婦仲の良さは感じ取れます。エスキモーの昔のままの自給自足生活で、老人は毎日食料のための狩を試みますが、若い時のようにはいかず、獲物がないまま帰宅することが多くなります。

夫婦の一人娘 Ága は老いた両親を残してどこかへ働きに出たまま戻らないという背景が語られ、老いの切なさ悲しさが目いっぱい広がるシーンが続きます。最後に出てくるÁga役の女性の言葉なき演技が真に迫っていて貰い泣きしました。

初め、タイトルは主人公の老人の名前 Nanouk だったらしいですが、米国での公開では出番は少ないがストーリーの中で気になる娘の名に変更したようです。