ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

2019年末チリの旅―宿の猫リリィ⑪


テレサさんは猫を1匹、犬を2匹飼っていました。猫の名前はリリィ。リリィは夜しか現れなかったので暗くて顔も毛の色もよく分らず仕舞いでした。毛の色は多分サビ色だと思います。リリィが最初に現れたのは3日目の夜でした。夜、外は冷えるので毛布を掛けて長いすに寝そべって星を眺めている私たちの傍に来てくれて、顔を近づけてくるのでナデナデしてあげると喉をゴロゴロ鳴らしていました。相棒のお腹の毛布に座って居心地がよいらしくジッとそのままでいるので、私たちは部屋に帰るのを暫く躊躇したくらいです。

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← 次の夜も来てくれて、相棒のお腹に乗って相棒にキスしていました。暗いのでシュルエットになっていますが、パチリと現場を押さえましたぞ。

 

私のお腹にも乗ってフミフミをしました。

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猫を飼っていない私は、猫がどれぐらいの力でフミフミするのが知りたくていたので、とても嬉しかったです。フミフミはかなり力が入るのだと知りました。

 

その次の夜も来てくれました。「来たよ」と言うように「ミャ」と静かに鳴いて知らせてくれます。その声の方を見るとリリィがすぐ傍にチョコンと可愛く座っているのです。一緒に星を見て過ごしましたが、翌日は出発する日で、せかっく仲良くなったリリィと別れるのは寂しかったです。リリィに「きょうが最後なの。明日は出発。明日はいなくなるから今日はもっと遊ぼうね」と一所懸命伝えました。そのせいかリリィはいつもより長く居てくれました。

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翌朝は少し早く起きて出発の準備をし、テレサさんと別れを惜しみました。テレサさんに私が「私たちのために、いつもなら欧州のクリスマスの休日に出かけるための出発を延期してくださったんですね、すみませんでした」と言ったら、テレサさんは「いえいえ、出発を遅くしたのでとても安いチケットが入手できたんですよ」と言ってくれました。貴族出身でありながら他人を思いやる心を持つ人に出会う機会があり、貴族出身者はみんな鼻持ちならないと思っていた私は考えを改めました。