カラフルな落書き:
アタカマ砂漠からサンチャゴへローカル線で戻り、空港から予約しておいたタクシーでヴァルパライソへ向かいました。ハイウェイを通っている間は良かったのですが、ヴァルパライソの街に入った途端、タクシーの窓からみる景色は気持ちの悪い地域に変わり、ゾッとしてしまいました。貧困と混沌と麻薬と犯罪が漂っているような感じです。こんな所に3日も泊まるのかと気持がドンドン沈んで行くのが分かりました。
それから海岸沿いの広い道に出て、そして狭い坂道を上っていくと、少しマシな一角に出ました。壁も汚い落書きからカラフルな絵に変わっていきました。さらに細い道をタクシーは上って行き、カラフルな壁のホテルの近くで止まりました。
ホテルは黄色いペンキが塗ってありました。どちらかというと古くてみすぼらしい感じでしたが、高台にありロケーションは最高で、ステキなテラスとレストランが付いています。部屋も2世紀ほど古い感じでエアコンもなければクローゼットもない狭い部屋でしたが、とてもチャーミングな窓が2つ付いていて1つからは海が見え、もう1つからは丘が見えました。
ヴァルパライソという街の構造は、下の方は酷く荒んでマリワナでラリッた連中がゴミだらけで落書きだらけの中をうろついていたりして危険な感じですが、丘を登った上の方はチャーミングな町並みが連なり、中産階級以上の人たちが集っています。私はこの格差が好きになれませんでした。ここでも政府の怠慢さを感じました。
その夜はホテルのレストランで夕食。高台からの景色とチャーミングなテラスのレストランで食事はとても美味でした。Machasというマテ貝の一種の料理があり、それがとても美味しかったです。タコのグリルもセビチェも美味しかった。Machasは幅広のマテ貝のようで中身は北寄貝のような形をしています。
この辺りは一日の内、日中は暑いのですが朝晩は寒く、昼に出かけて夕方戻るという時はカーディガンのようなものを用意する必要があります。私も自分には薄いコート、相棒のために薄いセーターをバッグに入れて出かけました。
ヴァルパライソの荒んだ下の一角では毎晩暴徒が騒いで丘の上までその音や声が聞こえてきていました。騒音は早朝まで続いていたようで相棒は煩くて二日続けて眠れなかったということでした。
着いた翌日は丘の上からフニクラに乗って下まで降り、波止場を歩き、またフニクラで丘の上まで上り、この丘の町の壁と言う壁に描かれている絵を見て歩きました。私は壁の落書きは町を汚くみせるので嫌いなのですが、この町の壁の絵は落書きよりはマシでカラフルな楽しいものが時々ありました。写真を少し貼り付けてみます。
↓これは家のドアに描かれていたピクトグラフみたいな模様。
↓この2つはホテルの窓から見えました。それほど気になるものでもなかったのですが、相棒によると「この足の絵は話題になって、これを描いた画家は画廊で個展を開くほど有名になった」と教えてくれました。
↓こちらが足の持主のようです。
大晦日の夜はホテルのレストランのニューイヤーズパーティで食事と花火を楽しみました。少し浮かれて食前のカクテルと食後の甘い酒を飲んでしまい、翌日は頭痛で半日苦しみました。