ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

コルチゾン

コルチゾンがなければ、まだ若者の頃のJ.F.ケネディは余命いくばく…という運命だったそうです。脊髄を蝕むアジソン病その他の疾患を患っていたケネディはこのホルモン剤が開発されなければ生きてはいられなかったとか。化学の力で命長らえたケネディですが、皮肉にも大統領になったら暗殺されてしまった。

それにしてもケネディは麻薬に近い強い痛み止めなど色々な薬剤を医者から注射されて政治生命を保っていたようで、まさに体に鞭打って大統領職に就いていたわけです。そんな薬を打ちながらも裏に女性が多くいたというのも男性というサガの可笑しさというか悲しさというかバカバカしさというか...ババァは笑ってしまう。

あ、しかし「英雄色を好む」と言います。ケネディは英雄でもあったようです。戦時中、乗っていた魚雷艇が日本の戦艦に追突されて沈み、負傷した乗組員数人を綱で縛って数キロ泳いで救ったという英雄話があります。戦火の中どうやって脊髄の痛みを抑えていたのでしょうか?常時コルチゾンを携帯していたのでしょうかね。

そのコルチゾンですが、ワタクシメも一昨日、右肩にコルチゾン注射を受けてきました。そんな注射しなくても余命いくばくなんてぇことはない私ですが、2カ月ほど前、湿度の高い日が続き、ふと動かした肩のあまりの痛さにイテテテッ!と叫び声をあげてしまったら、相棒が心配して肩の専門医に予約を入れてしまったのです。

20数年前に五十肩をやってから、この肩の痛みとは偏頭痛と共に私の人生の連れとなり、痛さと共に一生暮らすつもりでいました。

それでも初めの頃1度コルチゾン注射を受けたことがありました。その時は酷い目に遭いました。当時は、患者がヒョイと腕まくりをし、医者が経験から推して肩の適当な位置にプスリと注射を刺し込んでサッサと注入していました。1分もかかりません。私もその態でやられ、その日病院からオフィスに戻って仕事をしていたら数時間後、心臓がバクバクし恐ろしい痛みに襲われ、もう仕事をしていられませんでした。医者は注入後の反応や注意については説明してくれませんでしたので、私はコルチゾンはダメだと思い込み、慌てて鍼へ行きました。5~6回鍼を受けましたがあまり効果がありませんでした。

そんな経験から、私は2度とコルチゾン注射は受けないと決めていたのです。

そして先週、相棒が予約してくれた専門医に行きました。孫のように若い医者は、レントゲン写真をちょちょっと見て「よくある何タラカンタラだからコルチゾン注射をして、そのあとフィジカルセラピに行くように」と言いました。私は「20年前も同じこと言われて、コルチゾン注射をしたらその日激痛に襲われたのでコルチゾンはうちたくないし、そのあとフィジカルにも通ったけど、その時はよくなってもまた痛くなるので気が進まない」とウルサ型ババァの言い草で訴えました。医者はめんどくせぇババァだなと思ったようで「前の医者のあとを継続したわけでなく、新たな患者として診ているので、やはり初診の段階ではコルチゾンと理学療法を処方するしかないんです。コルチゾン注射で痛かったのは注入した位置が悪かったのでしょう」そして「今回は超音波で問題個所をピンポイントでおさえ、そこにコルチゾンを注入する、という方法だから大丈夫です」とババァには選択肢なし、という感じでした。

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注射はその肩専門医でなく、別の麻酔医に予約をして、一昨日打ってもらってきたのです。なるほど、以前と違って注射の仕方がまるで手術前のように大がかりで注意深かったです。あの孫のような肩専門医はちょちょっとレントゲン写真を見たように思えましたが、意外にしっかり診てくれていたようで、要所2か所に注入するよう処方していました。今回は注射の前に詳しく説明があり、ステロイド反応として痛みが強くなったり発熱したり心臓の鼓動が早まったりするけれど、20~24時間過ぎれば治まるので我慢するよう言われました。

そして痛みが出るだろうと必死の覚悟でいたのですが、麻酔が切れても痛みは出ず、翌日、右肩の痛みが殆どなくなっていました。全く消えたとは言えませんが、今までは買物袋を持っても途中で休んでいたのですが、きょうは休まず家まで持って帰れるようになりました。麻酔医によるとコルチゾンの効果は数週間で徐々に表れると言っていましたが、翌日から痛みが引いていると感じます。プラセボ効果かな。

偶然ですが、コルチゾン注射を施してくれた麻酔医は、私が7~8年前に腰関節置換手術をした時にお尻に麻酔を打ってくれた医者でした。麻酔医が「記録をチェックしたら、私があなたのヒップに麻酔を打ったと分かりましたよ」と言ったので「あ~そうだったんですか、またお会いできて嬉しいです(つまり、その節はありがとうございましたという意味)」と挨拶しときました。

1週間ぐらいは運動もせず、フィジカル(理学療法)も受けないようにということでした。運動はしませんが、ちょっと重い袋を持ったり、肩を使う掃除をしたりしてしまい、今また肩が少し痛いような気がしています。私の肩の骨と筋がもう老齢でボロボロになっているのでコルチゾン注射で炎症を治しても一時的なものだと思います。だからその後フィジカルを受けて効果を持続させなければならないのでしょう。フィジカルやってもまた同じこと、としか思えず、老体に鞭打つのはよくない、などとフィジカルを避ける言い訳を考えているところです。