ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

週末に2本観ました

Railroad Man
はじめ、私はこの映画は見る気がしませんでした。戦争という特殊な環境の中で軍隊のとった行動すべてにその国の国民が責任を負えという態度の作品かも知れないと思ったのです。

旧日本軍憲兵の冷酷残酷さは当時日本人の間でも身の毛がよだつほど恐れられ嫌われていたと聞きます。そんな憲兵が、ましてや敵国の捕虜に対して如何に非人間的であったか、推して窺われるというものです。

私が育った頃はまだ、ナチスとドイツ一般国民は容易に区別するが、日本軍と日本国民は一緒にして忌み嫌う人が生存していました。西洋人は自分たちと区別がつかないがアジア人は顔をみればすぐ分かるということも理由の1つだったのかも知れません。事実、この作品の主人公のモデル、捕虜になって日本軍に拷問を受けた人は、日本人がいるとそこを避けたということです。しかし、相棒が「最後に心うちとけるストーリー」だというので観てみることにしました。

この作品の前にColin Firthのコメディ映画を観た私ですが、Firthが本領を発揮するのは真面目なドラマだと思いました。 佳作The King's Speechで好ましい雰囲気を出していたFirth、この作品でも好演しています。真田さんは、肩を張らない、演技に溶け込んだ自然な英語で日本人俳優として頼もしいなと思いました。だだし、最後のシーンでかなり長身のFirthの傍に立つ真田さんがコビトのように小さくみえて目のやり場に困りました。ダスティンホフマン/アルパチーノ系の俳優(笑)。一つ、何か良い作品に出てオスカーでもとってもらいたい気がします。


Locke
英国作品。作品の評価が良かったので観たのですが、映画としては私の好きな設定ではありませんでした。演技は良かったと思います。

一人の男が車の運転をしながら電話で数人と話すという設定になっています。その1時間足らずの間の進行で主人公の運命がガラリと変わってしまうという話。ただし、主人公の考え方、選択の仕方に未熟さが目立ち、私はあまり同情できませんでした。一人芝居のような設定は、舞台では非常に面白いと思うのですが、映画としては私の好みではありません。一人芝居と言えば、かなり前に観た映画で、土の中に埋められ、お棺の中で脱出を試行錯誤する男の話があったのですが、これも途中から飽きてしまいました。

主演のTom Hardyの演技は悪くないです。この人の作品、これから多くなるような気がします。