ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

一進一退の義母

義母の精神状態は良くなったり悪くなったりを繰り返しています。すっかり元の義母に戻ったと思ったら翌日はまるで赤子のようにすすり泣いたり呻いたり、私たちが居るのに「誰も相手にしてくれない。ママー」などと口走ったりします。

食欲も戻ってきて身体の方はとっくに良くなっているのです。あとは歩く意志があるかないかの問題。フィジカルセラピストが歩かせようとしても、痛いと言って歩かないのです。頭の中で「痛い」と決めつけてしまっているのです。「歩かないとリハビリに移れないよ」と私が言うと「なんだい、私が歩きたくないと思っているとでも言うのか!」と怒り出します。気の強さだけは元の義母に戻っています(笑)。

「ワタシャ、もうダメだ。このまま病院に居ることになる」などと言う義母に「いいえ、病院側から追い出されますよ」と言うとビックリしてました。ここは内科でなく外科病院なので、傷がある程度回復したら退院するのが原則。普通、3、4日で退院。その後はリハビリセンターに移ってフィジカルセラピを受けるのです。義母はもう10日も入院していて病院側もこれ以上治療することがないので早く出てもらいたいと思っています。何とか少しでも歩かせてリハビリセンターへ移動できるよう努力している最中です。

こういう老人(老婆)をみていると切なくなります。自分がもう役に立たない、誰も相手にしてくれないなどと感じるなんて、切な過ぎます。自分も老いたらこんな末路になるのかなあ、と気が沈んできます。長寿は目出度いように思いますが、命長らえても精神の方が劣化しては生きている意味がありません。身体だけでなく精神も健康になるようにしなくてはならない、と義母をみて思いました。