本棚の思い出 老いぼれジェイク

下欄に私の記憶の衰えを述べましたが、旅の記憶もどんどん消えていきます。しかし写真をみると思い出すことも多々あります。

昔フィルムを使用していた頃は現像やアルバム作りなど手間がかかったものですが、今は撮り直しも消却も自由なデジタル式で現像せずチップスにそのまま保管しておけばいいので非常に楽になりました。消せると思うので要らないものまで撮ったりして、1週間以上の旅では一人千枚以上撮っていることもあり、自分ながら驚かされます。

チップスに保管していると写真をながめる機会が少なくなりますので、気に入ったものを印刷して額に入れ、本棚に飾ったりしています。

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3年ほど前に訪れたペルーでは、まだ子供のアルパカやラマに囲まれて、文字通り嬉しい悲鳴をあげました。顔を近づけてくるアルパカは子供なので動きも優しくて本当に可愛いのです。最初は餌が欲しいのかと思ったのですが、ただ一緒に居たいだけのようで私たちの嬉しさも一入(ひとしお)。見つめ合った相棒の大きな目とラマの大きな目がソックリなので「あんたたち親戚?」と冗談がでます。ペルーの人たちにとっては何でもないことですが、私たちにとっては至上の喜びでした。

私たちは旅の記念は写真だけ、お土産は殆ど買いません。荷物になるからです。ただイタリアのトスカニー地方に行った時アラバスタだけは1つ買いました。相棒が見つけた小さなボール1つ。禅の趣があります。他にも美しくて素晴らしい品はたくさんありましたが割れることや荷物の重さなども考えて買いたい気持を必死に抑えましたっけ。

アイダホで馬に乗った時の写真も額に入れてあります。スポーツが得意でない私たちがこの写真では一端のカウボーイに見えるのです。写真だけで信じてはいけない(笑)。

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私の乗った馬が老いぼれジェイク。相棒の乗った馬は優しいビスケット。ビスケットはいつもジェイクを労わるように見守っていました。ジェイクが老獪だと分かったのは帰り道でのこと。自分が肥満体なので重いだろうと私が老いぼれの彼を心配していると分かるとジェイクは疲れきったように地面に届きそうなくらい首を垂れ始めるのです。私が心壊れるくらい心配して「あ、ジェイク、ジェイク、しっかりして、大丈夫?」と言いながら首をマッサージすると、ジェイクは少し首を上げるのですが、私がマッサージを止めるとまた首を垂れだします。それの繰り返し。先を行くビスケットは「ジェイクめ、またやってるな」っというような顔を時々向けていたような気がします。最後に馬を降りた時もジェイクはサッサと向こうを向いてしまいましたが、ビスケットは私に顔や口を近づけてきて「ジェイクにマッサージありがとう。元気でね」と言ってくれました。勿論、言葉でなく態度で。私はジェイクの狡猾さを思い出すと今でも可笑しくて笑ってしまいます。それがまた楽しい。

 

相棒はゴチャゴチャしたものが嫌いで、最初、本棚に写真を置いたゴチャゴチャ感が気になったようですが、今では写真を見ては思い出に浸っています。