ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

 水なしシャワーと毒物入り電球

ニューヨーク、ここ数日やけに寒いです。きのう買物に出かけた時、息をすると喉が苦しくなるほど外気が冷たかったです。慌ててコートのフッドを被り、顔を包むように紐を絞り込みました。「零下15℃以下だ」と勝手に思いました。きょうも予報では零下16℃まで下がるということです。そして明日はまた雪だとか。

さて私事ですが、数ヶ月前から風呂場のシャワーヘッド(SH)のパイプの付根辺りから水が漏れ四方に飛び散るようになりました。それでも何とか使えるので横着者の私はそのままにしていましたが、先日、相棒が「もう使えなーい」と言うのです。それでSHをチェックしてみると、単純なデザインで何十年も使い古したもので妙に貧弱に見えました。かなり磨り減っているように思った私は新しいSHを買いにいきました。全部エコ商品。40〜200ドルの品揃えの内「少ない水量でパワフルなシャワー」と表示してある一番安いのを買ってきました。

新しいSHは古いものと比べると外見が実に堂々としています。早速取り付けて初シャワーを浴びてみましたが、なんと腑抜けなシャワーだったことか。EPAの推奨するエコシャワー、水が充分でないので洗った気がせず、長いこと水を流すので、水量の節約になるのかどうか疑わしいです。

米国では環境衛生を考慮するという建前で、EPAが1992年からシャワーヘッド制御をしました。それまでのシャワーヘッドは5.5gpm(1分間に5.5ガロン)の水量が出ましたが、その後は2.5gpmに制御されたのです。その当時、私のアパートに「風呂場をチェックする」と言って修理工が急にやってきました。そして1分ぐらいで終って何も言わずに行ってしまいました。「なんじゃらホイ」と思いながらも特に疑わずにいた私は、その日シャワーを浴びてギャッと仰天しました。水圧がまったくないのです。髪を洗うこともままなりませんでした。仕方なく、その日から水槽に水を溜めて風呂を使うことにしました。

EPAは家庭で使うものは何でもかんでも無理やりエコ式に移行させています。電球もエコ式で白熱電球はだんだん市場から消えていく運命にあります。以前にも書きましたが「切れたエコ式電球」は中に入っているものが毒性のため直接ゴミ箱に捨てられず、決まった場所へ持っていかねばなりません。電力節減のために毒物入り電球を国民に使わせる、それが環境衛生の向上になるんですかねぇ。