ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

The Captain (Der Hauptmann) 観ました

The Captain (Der Hauptmann)

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ドイツ作品。敗戦の色濃い終戦間近のドイツにおいて、士気を失い逃亡する兵士があとを絶たず、その収拾にゲシュタポが奔走していた頃に起きた実話を基にした作品。若い兵士(伍長)が逃亡を試み、追手を撒いた後、たまたまドイツ軍キャプテン(大尉)の制服の入ったケースを置き去りにされた車の中に見つけたことから話は始まります。

ドイツ軍の恐ろしさは、敵でないユダヤ人虐殺もさることながら、逃亡して捕まったドイツ兵士など同国民を容赦なく多数殺すことに何の罪の意識も感じないでいることです。人殺しをすることに感覚がマヒしていたのでしょう。

偶然権力を手に入れた人間が傲慢になり冷血で残酷なことをするこの作品で思い出したのが、浅間山山荘の赤軍、オウム真理教などの連中です。彼等の仲間内の残虐な行動は一般の人々には信じられない気持の悪い行為です。しかし、精神が侵された極限の環境においては、そういう現実があることを忘れてはならないということでしょうか。

観たあとに人間にたいするモヤモヤが消えない作品でした。