ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

誤嚥とカラオケ

最近、誤嚥が気になります。食事中、チョットした拍子に飲み込み違えて気管に入ってしまうことが前より多くなったような気がします。人は60代70代になると喉の筋肉が弱って、食道と気管を交互に塞ぐ弁の動きが悪くなるらしい。

たまたまYouTubeを見ていたら『主治医が見つかる診療所』という番組で『誤嚥を予防する喉の筋肉トレーニング』を取り上げていました。そして、カラオケで声が出ないほど高い音階の歌を歌うと喉の筋肉のトレーニングになると言ってました。

カラオケ、誰もいない所ならやってみたい気もします。大声で歌うのはストレス解消にもなりそう。しかし、カラオケ屋に行くのはどうも気が進みません。無駄金使うような気がするのです。最近はYouTubeでもカラオケができそうですが、アパートでは大声をだすことが出来ないので、誰か頭から被る消音装置でも発明してくれないかしらん。

矢車草と矢車菊

下欄のバーモント州の旅の書き込みに慌てて注意書を追加して、物心ついた頃から『矢車草』と『矢車菊」を混同していたことを今さら悟ったと述べましたが、それでは矢車草とはどんな植物なのかと思って調べてみました。

矢車草は葉が大きく、観葉植物に近い姿をしていました。花は白く、一つ一つの花は矢車に似ているかも知れませんが、小さな花が集まって花の集団を形作っているので矢車とは言い難いです。矢車菊の方は、花も大きく矢車の形をしています。

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因みに、矢車はこんな形です。

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日本の中国地方の豪雨

日本の豪雨による被害に心痛めています。倉敷も大きな被害にあっていると聞き、『お涼さん』は大丈夫かと気になっています。

私がブログを始めた頃だからもう20年ほど前になりますか、鬱のため少し頭のおかしな書き方をしていた私のブログで、ハンドルネーム『涼』さんが書き込みをしてくれて、暫くの間、私の相手をしてくれていたのです。もう、このブログは見ていないでしょうけれど、心配です。お涼さんとは『ツボ八』だったかな、居酒屋でお酒を飲む約束をしていたのですが、空約束になってしまったかな。約束が遂行できたらいいな。

何も出来ない私で申し訳ないです。どうか被害が及んでいませんよう、大事ないこと祈ります。

夏の旅 バーモント州 (5) 良い巡り逢いの旅

湯沸かしポットの偶然

私たちが明日帰るという日、夕食から戻ると宿主のリチャードさんがいそいそと迎えてくれて、興奮しながら興味ある話を始めました。

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実はその日の朝、宿主の夫婦が「昨夜、湯沸かしポットが壊れてしまったんです。お茶を飲む時は、お湯をガスで沸かすから時間がかかります。ごめんなさい」と言っていたのです。

そのあと、その日チェックインした宿泊客のご夫婦にもリチャードさんは湯沸かしポットが壊れたことを説明したのだそうです。するとその客の奥様の方が「私、リチャードさんにギフトがあります」といって、車に戻って何かを持ってきたそうです。

そして彼女が持ってきたもの、それは同じ型の湯沸かしポットだったそうです。リチャードさんは口あんぐり。その奥様の言うには「先日、職を変えた時、事務所に置いておいたポットを持ち帰るため車に入れて置いた。でも新しい職場ではポットを使う場所がなく、仕方なくポットは車に入れたままで、その内サルベーションアーミーにでも寄付しようと思っていた」のだそうです。そしてリチャードさんの話を聞いて「ちょうどいい、使ってもらえる」と思ったのだそうです。リチャードさんによるとポットは全く同じ型なのだそうです。

私にとって、これは偶然で済ませられる話ではないデス。宿の湯沸かしポットが壊れたら、たまたまそれと同じものを持っている人が宿泊客としてやってきた...

日本で「赤い糸」とか表現しますが、そういうモノがあるとしか思えません。良い心を持った人には良い巡り合わせがあるのだと思わざるを得ませんでした。

この宿泊客のご夫婦とはその夜、お茶を飲みながら少し話し、翌朝も一緒に朝食をしながら話をしましたが、とてもステキなカップルでした。ペンシルバニアに住んでいるのだとか。奥様は米軍の書記?だったかな、忘れましたが何か軍の職についていてドイツに駐留していたこともあり、ネパールのカトマンズまで出かけた事もあると話してくれました。ご主人の方は静かで口数が少ないけれど、一所懸命話そうとしている様子がうかがえました。私たちもぎごちなくて初めての人たちとはなかなか話ができないのですが、このご夫婦とは自然と打ち解け、話が弾みました。心が安らぐ、とてもいい巡り逢いの旅になりました。

夏の旅 バーモント州 (4) ローカルレストラン

Leslie's Tavern

この日の帰りに、宿主が強く推めるレストランで夕食をとりました。本当に美味しい店でした。レストランのオーナーがその日の朝、農家の畑から仕入れたレタスで作ったシーザーサラダ。大盛りでしたが残さず全部食べました。マンハッタンの店の青臭くってしおれたサラダは半分も食べられない私なのです。

貝柱も本物でした。マンハッタンの店はサメの頬肉を貝柱と偽っている店が大半で、不味くて食えたもんじゃないのです。相棒がそのことを言うとオーナーの女性が「私の夫がシェフです。夫はプライドが高いから食材は誤魔化しません」と自慢げに話していました。

スコティッシュバーやアイリッシュバーも数軒あり、ちょっと寄ってみると、どこも新鮮な料理を出してくれました。NYのバーの料理は古い油で揚げたしおれたモノばかりなのです。この辺りの店はバーまでも良心的なので嬉しい驚きです。

夏の旅 バーモント州 (3) Distant Hill Trail と Distant Hill Garden

Distant Hill Trail

隣町 Walpole に Distant Hill Garden という 個人が管理している庭があり、土日のみ一般公開されています。私たちがWalpole に出かけたのは金曜日で Garden は閉まっていたので、その Garden に隣接している Distant Hill Trail という林の散歩道を探索しました。そこは週日開いているのです。その日は暑く、汗をかいている私たちに蚊が容赦なく食いついてきました。

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 Trail には誰かが積んだと思われる積み石がそこかしこにありました。

多分、接着剤などは使わないバランスだけで積まれている石ではないかと思うので、触りませんでした。後で、これは個人で管理しているMichaelさんが造ったものだと分かりました。残念なことに接着剤なしのバランス積石かどうかMichaelさんに訊くのを忘れてしまいました。

 

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クランベリーの成る沼地もあり、人一人分の幅の板が渡してありました。そこを恐々渡ってみました。バランスを崩せば沼に落ちます。老いた身にはそのチャンスは大きいですが何とか落ちずに渡りきりました。

渡る途中、沼にカエルがいるのをパチリ。

 帰り際、小さなトラクターに乗った人に遇(あ)いました。自分の庭だけでなく、この自然を管理しているMichaelさんでした。Michaelさんと一緒にいた二匹の犬がワンワン吠えながら私たちに走り寄ってきました。一匹は小型のシュナウザー、もう一匹は赤毛のロングヘアダックスフント?だと思いますが、名前はルビー。ルビーはもう相棒に何度もジャンプしながら飛びついて歓迎していました。Michaelさんが言うにはルビーは初めての人には近づかないので、知らない人にこんなに開けっぴろげに喜んでいるのは初めてだと言ってました。

Michaelさんは50エーカーを越える自分の庭とこの自然の林を管理しているらしいです。近くに大きめのポータブルトイレも用意してありました。使った相棒によると中は清潔になっていたそうです。Michaelさんが管理しているからでしょう。ここを訪れる人のためとは言え、個人がそこまでしてくれるのはとても有難いです。また翌日の土曜日にMichaelさんの庭を見学に行くことを告げて別れました。

 

Distant Hill Garden

そして翌日土曜日、Distant Hill Gardenへ出かけました。車を草むらに駐車した途端、赤毛のルビーが駆け寄ってきました。きのうほど興奮していませんでしたがちゃんと迎えてくれました。

Michaelさんが入口で説明してくれる横に大きなビンがあり寄付金一人5ドルとなっていました。寄付金だけで管理しているようでした。相棒は20ドル札しかなく、Michaelさんは釣銭がなかったため、20ドル札をそのままビンに入れました。自主的に管理している人に直接寄付できるのは気持がいいです。いろいろな寄付がありますが、だいたい仲介する人が取ってしまって寄付金の1割ぐらいしか目的に使われないようなものばかりで、私たちは普通寄付は避けますが、このようにハッキリした使い道のものには喜んで寄付したい気持になります。

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庭はロイアルガーデンほど広くはないですが、個人所有としては大きく、それなりにしっかり管理されていて見ごたえがあります。

Michaelさんはアイルランドやフランスにあるストーンヘンジを見て廻り、そのミニチュア版を造ったのだそうです。冬至の太陽にラインアップする石の置き方をしていました。

いろいろな木々や花が植えられ、植物の右下の土の上にその名前が明記されていて、時間がかかるのに真面目なMichaelさんの仕事ぶりに感心しました。私にとってなぜか懐かしい矢車草も植えてありました。

[ 注:後に、この花は『矢車草』ではなく『矢車菊』と言うのだと分かりました。子供の頃から矢車草と呼ぶ人が多かったので正確な名前を知りませんでした ]

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池には魚やサラマンダまでいました。低いブワブワっという鳴き声はカエルでしょうが姿は見えませんでした。下の写真は池に映る岸の岩と草。

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左がサラマンダ。右は鯉でも鮒でもないような、黒っぽい魚。

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花の周りにはいろいろな蝶が舞い、トンボも青い糸トンボや白黒まだらのヤンマのようなもの、それにいろいろな蜂も飛び交っていました。こんな自然に囲まれた生活をしていると心が休まるだろうなぁと思いました。

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多分 Michael さんの作品と思われる 鉄で作った面白いオブジェが庭のアチコチに置いてありました。人型、ドラゴン型、孔雀型、鳥型、などなど。

←これはMichaelさんではなく、別のアーチストの作品のようです。題名が Bee Hotel。本当に蜂や他の虫たちが穴に入ったり出たりしてました。

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 家の裏庭には野菜畑もあり、トマト、ピーマン、ネギ、キャベツなどが育っていました。毎日自作の新鮮な野菜が食べられるなんて羨ましい限りです。

野菜だけでなくフルーツもあり、特にブルーベリーの木には、まだ熟していない青い大粒の丸い実が枝もたわわに実っていました。Michaelさんの渾身の世話で、きっと美味しい実になると思います。

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夏の旅 バーモント州 (2) Bellow Falls の 宿

宿

B&Bの宿主はエレンとリチャードというご夫婦。エレンさんは元バイオリニスト、リチャードさんは人懐こい話し方をします。まだ仕事を始めて1年ほどだとかで慣れていないため素人っぽくて、まるで親戚の家に泊まっているような気持になりました。

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左の写真はインターネットからの借物ですが、この宿のポーチです。前方にはコネクチカット川があり気持のよい眺めです。

お茶 Prince of Wales

宿にはお茶とコーヒーがいつでも飲めるように用意されていて、リチャードさんがよくお茶を勧めてくれました。いろいろなティバッグがあり、Prince of Walesというお茶を選んでみたのですが、これがとても美味しくて毎日飲んでいました。紅茶のような緑茶のような、しかしそうでもないような、不思議なお茶で苦味もなくとても飲みやすいのです。

私は現在のPrince of Walesチャールズ3世のお茶かと思っていましたが、相棒が後で調べたところ、一世代前の Prince of Wales エドワード8世のために特にブレンドされた中国産のお茶らしいです。

Claude the Cat

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宿にはクロードという黒猫がいました。ただし日中は外を廻っているらしく宿内で見かけることはありませんでした。2日目あたり、私たちが駐車している車にクロードがいました。日差しが強かったので車の陰で休んでいたようです。私たちが来ると、クロードは車を動かすことを察したようで、隣の車へ移動しました。私はクロードのいる方に行って、近づかずに遠くからちょっと挨拶しました。するとクロードは何とも言えない優しい甘えた声で鳴いて私に近づいてきて、足にスリスリしてくれました。猫から近づいてくれるなんて嬉しかったです。

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近くにある骨董品店を眺めたり、川岸の岩にあるペトログリフ(石壁に彫られた絵や文字)を橋の上から覗いたり、美しい林や町を抜けるハイウェイや緑深い山道をドライブしたりして過ごしました。

私の好きな木漏れ日の続く山道は、このままずっと続いてくれたらと思ってしまいます。こんな木漏れ日の雰囲気を自分の感情を通して水彩画で表せたらなぁと、ちょっと老いて諦めがちで感傷的な私でした。写真がそのペトログリフです。インディアンが描いたものだそうですが、最近の子供のいたずら書きにしか見えないような。