この作品、私はメリーポピンズの映画作りの裏を単純に描いたものだと思い込んでいたので最初は興味がありませんでした。ところが、子供の頃メリーポピンズを観た相棒はウォルトディズニー氏も好きで大いに興味があり、観ようということになりました。
観始めると、実に構成の良い作品でした。焦点はメリーポピンズの作家P.L.Travers女史に当てられており、彼女の悲しい生い立ちを織り込みながら映画作りの裏を描いています。画面画面でのTravers女史の気持がヒシヒシと伝わってきて知らず知らずの内に彼女に感情移入している自分に気が付きました。Emma Thompsonの演技もお見事。最後の方ではもう、涙と鼻水を拭いたチリ紙が手の中にやたらと溜まってしまった私でした。