3日目最後の日、カヌーとカヤックで近くに流れる川を下るツアーに参加しました。このジャクソン川、最終的に大西洋側のチェサピック湾に流れ込むのだそうですが、深さは腰ほど、急流の箇所もありますが、どちらかというと緩やかな川で安全です。小さなカヤックより大きなカヌーの方が易しいだろうと思って二人乗りの大きなカヌーを選んだ私たち、ノンビリ、スーイスイと漕いで楽しもうと思っていました。
私たちのほかには若いカップルと4人家族が参加し、この人たちは皆カヤックにのりました。みな初心者ではないようです。もちろん相棒と私は初心者も初心者でカヌーの漕ぎ方も方向転換方法も知りません。ガイドさんは簡単に説明してくれましたが、頭で分かっても体で分かっていない私たち、単純な気持で櫓を漕ぎ始めたのですが、二人のタイミングが合わず、カヌーは川の流れに沿って縦にならず横向きになってしまい、あっちの岸こっちの岸とぶつかって、なかなか進めません。最初、相棒が後ろで櫓をリードしていましたがカヌーがぶつかって岸に乗り上げてしまった時、今度は私が後ろでリードしてみました。
ところがやはり岸にぶつかり、さらに急流近くでとうとうひっくり返ってしまい、私のリードもまったく酷いものであることが分かりました。【写真は借物で私たちではありませんが、こんな雰囲気でした】 カヌーは重いので、水を出すのも大変です。ガイドさんと二人がかりで重いカヌーを強い流れの中で持ち上げる時、無理をした相棒は足を岩や石にぶつけて痣だらけになってしまいました。あとで分かったのですが、相棒は左足の脹脛にかなり重症の擦り傷をつくり、足の親指を強く岩にぶつけて紫色に2倍に腫れあがってしまっていました。その上、相棒はカヌーを持ち上げた時に結婚指輪を川に落としてしまったのですが、その時の状況から推して探すわけにもいかなかったようです。
カヌーをひっくり返した私たちに、ガイドさんが別の提案をしてきました。カヌーには相棒が前に乗り、ガイドさんが後ろに乗ってリードし、私は一人乗りのカヤックに乗り換えていくことになりました。
カヤックに乗り換えた私は、しばらくは流れにのって意気揚々と漕いでいたのですが、途中で川の左端に他の皆がカヌーを寄せて止まっているのに気が付き、右から急に左に曲がろうとして曲がれず、私のカヤックは右の急流にまかれて流れ出し、それを止めようとして近くの木の枝に櫓を差し込んだら、急流の押し流す力に逆らったためカヤックがひっくり返り、私は体ごと川に落とされてしまいました。さらに悪いことに、流されていくカヤックを追いかけた私は急流に押され、あわてて岸に向かって横に歩きましたが流れの勢いに負け、ドンドン流され始めました。流されないように足を踏ん張ると岩に当たってアチコチ打撲しました。それで膝を折って座ったら底の岩に膝をゴンゴンと打たれてしまいました。下流で別のカヤックに乗った人が私のカヤックを止めてくれたのが見えたので、慌てていた私も一応安心し、もう流れに逆らわず、救命具に任せてボワ〜ンと浮いて、そのまま流されることにしました。
[この時、ライフジャケットは大切だなと思いました。浅い川だから溺れることはありませんが、力尽きた時、ボワ〜ンと浮いていられるというのは正に救いです。]
ボワ〜ンと浮いていた私のところに大柄の男性が急流を泳いできて、私を岸の方へ引っ張ってくれました。最初、その男性はツアーのガイドの一人かと思ったのですが、そうではなく、たまたま近くにいて私を助けてくれたのだと分かりました。カヌーに乗っていた相棒は、私の姿が見えなくなってしまい、とても心配して気が気ではなかったようです。あとで無事な私をみて相棒の目が赤くなっていました。
急流に流された私は膝やら脛やらが痣だらけ、つき指も3箇所ほどしたようですが、それでも気を取り直し、またカヤックに乗り川を下り始め、最終地点まで漕ぎ着きました。3時間予定が4時間かかってしまったのは、私が急流に流されたためでした。
それより、ホテルに戻ってから相棒の打ち傷の酷さに驚きました。それでも相棒は、私が無事だったので、自分の傷や落としてしまった結婚指輪など、もうどうでもいいと思ったそうです。これだけの目に遭いましたが、カヤックは面白かったので、またやってみたいと思っています。
私は帰宅したあとから打ち身の痛さを感じ、膝やお尻に痣があることが分かりましたが、たいしたことはないようです。それより相棒の傷は重症で、毎日塗薬をつけてガーゼを取り替えていましたが、なかなかよくならず、ますます赤く腫れあがってきたので、数日してから皮膚科に診て貰ったら、バイ菌で化膿していると診断され抗生物質を処方してもらいました。今でも脹脛が2倍に腫れていてとても痛々しいです。