ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

Under the Tree 観ました

Under the Tree

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アイスランド作品。隣人同士のいがみ合いが発展して酷い結果になります。

作者はブラックユーモアのつもりでしょうが、よくありそうな状況は笑えたものではありませんでした。

人の浅慮さや思い過ごしが生活を狂わせ、正常だった人まで狂わされてしまう様子が描かれます。この作品では自分の気持のために家族全部を惨めにさせる妻が描かれていますが、こういう女性を知る私にはかなり現実的な思いがしたものです。そして最後のシーンが「ああ、やっぱり...」と、その妻の浅はかさを認識させます。

今朝の閃輝暗点

最近、胃が悪くなっていて毎朝ジリジリとした頭痛があります。続けて飲まない方がいいエクセドリンを続けて飲みました。悪循環。

今朝も頭痛が少しありましたが、幸いエクセドリンの世話にならずに治りました。

頭痛は消えましたが、11時ごろになって閃輝暗点が出ました。今回は、ひらがなの「つ」みたいな形です。右眼の右下あたりにギラギラギラギラ。どのくらい続くのかと時計を見ていたら20分ぐらいして消えました。

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閃輝暗点は偏頭痛の兆候だとか言われるのですが、私の場合、いつ起きるのか分かっていません。閃輝暗点を見たその日に起こることはないような気がします。

 

NY市の地下メンテナンス

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今朝早くマンハッタンの5番街21丁目辺りで地下のスチームパイプが爆発しました。

NY市の地下にはガス管、水道管、電管、Eケーブル、下水管、等々、いろいろなパイプが埋まっています。何十年も経てば鉄パイプも老朽化しますので、メンテナンスは欠かせません。

しかし現市長は、特に急がない市営レンタル自転車を道路のアチコチに設置したりはしますが、インフラのメンテには無関心。今後も地下の各種パイプが破裂することが想像できます。

マンハッタンの地下ってトンネルだらけ。上層は各種パイプ、その下に下水道、そして地下鉄、その他が縦横無尽に広がっていて、見えないので市民は普通気が付かないけど、万一何か起こったら大変。そして地下には住民の人口の何倍というネズミが蠢いているとか。マンハッタンのリアルな地下断面図をみたら気絶するかも。

賄賂にドッブリ浸かってる現市長、NY市を崩壊させるのも時間の問題です。

間一髪

朝、ゆっくり重曹と塩を入れた風呂に入って温まり、その後はYouTubeで有難いお坊さんの話を拝聴していました。拝聴しながらも、いつ買物に行こうかと、ちょっと外を見ると曇っていました。灰色の空でした。ウェブで天気予報を見ると午後遅くに降り出すようなので、お坊さんのお話しを聞き終わってから出かけても大丈夫だろうと思い、そのまま聞き続けました。

お坊さんは「自分の悪癖を直すには『そうせざるを得ない環境をつくる』のが最善だ」とおっしゃっていました。私は「すぐやる気をなくす」のが悪癖。毎日コツコツと努力することが苦手。学生の頃は毎日の予習復習など絶対せず、試験の前の一夜漬けばかり。だから知識は身に着かず、覚えたことはすぐ忘れます。

さて、お坊さんの話を聞き終わって、ノンビリと買物に出かけました。外は曇り空ではありましたが蒸し暑くもありました。何も気にせずトレーダージョーズで買物をし、車付きバッグをゴロゴロ引っ張りながら帰ってきて、買ったモノを冷蔵庫に仕舞い込んだ途端、ザーッという音がしました。窓をみると豪雨にもにた勢いで降っていました。

「ウワーッ、ラッキーだったなぁ」と思いました。間一髪でびしょ濡れになるのを免れた。やっぱりお坊さんの有難いお話しを聞いていたので、きょうは救われたのでしょうか。「いいか、努力を怠るな。怠れば雨に濡れるぞよ」というお教えだったのでしょうか。

トラバトーレ

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下欄にtroubadour (米語でtroubador)のことを書きましたが、何だか聞いた事のある言葉だなぁと思っていました。そして、私の頭の古い記憶から、日本語のトラバトーレというカタカナ言葉が頭に浮かびました。

トラバトーレについてウィキをみると「フランス語の戯曲『エル・トロヴァドール』(El Trovador)がイタリア語に訳され、ヴェルディが全4幕からなるオペラ『イル・トロヴァトーレ』(Il Trovatore )を作曲、1853年、ローマで初演された。ヴェルディ中期の傑作の一つ。うんぬん」とあります。

そうか、60年も昔、学校で音楽の時間に習ったんだな。よく覚えていたなぁ、と自分でも感心しました(笑)。可笑しいのは、このトラバトーレという言葉を聞いた時、なぜか「通らば通れ」つまり「通ることができるなら通って見ろ」という風に思えてならなかったことを覚えています。

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仏語や伊語でVの部分がなぜ英語でBになったかは分かりませんけど、同じ言葉だと思います。

吟遊詩人と言えば、日本では琵琶法師ですよね。欧州ではカラフルでピエロみたいな服装ですが、日本ではお坊さんの袈裟姿。

驚愕のTroubadourレリーフ

週末に観た Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot という長い題名の映画でビックリすることがありました。映画の中で、ある小さな暗いバーのシーンがありました。そして入口とバーカウンターの間の壁に飾られている絵画が大きく映し出されたのです。相棒も私も思わず叫びそうになるのを抑え、声を出さずに「あ~!」と口を開けて顔を見合わせました。

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相棒の両親が持っていたモノと全く同じ絵画だったのです。

義母が亡くなった後、古道具屋さんが義両親の遺品の数々を本当に二束三文で持っていったのですが、その中に大きなレリーフ状の絵画がありました。

Troubadour (吟遊詩人) がカラフルに浮き出たレリーフで、珍しいので私は手放すのは惜しかったのですが、置き場所もないので諦めました。

幸い、写真だけは撮って置きました。

そのレリーフが映画の中で大きく映し出された時は、義母がハローと挨拶に出てきたのかと思うほど驚きました。もしかしたら、あの古道具屋さんが映画のプロットに売ったのかしらん、などと思ってしまいました。むろん同じものが2つ以上あったのかも知れませんが、義両親が50年以上も持っていたもので、そんじょそこらで見つかるシロモノではないような気がするのです。私は八割方、義両親のものが巡り巡ってあそこに飾られたと思っています。何しろオドロイタ。

 

Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot 観ました

Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot

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実在した風刺漫画家 John Callahan の自伝を基にした作品。勿論、面白くするためにいろいろ脚色されています。

最初少し時空が行ったり来たりしますが、後半でまとまってきます。十代の頃からアルコール依存症で虚ろな人生を送っていた若者が事故で首から下が殆ど動かない身体になってしまいます。自分の悲運を嘆き、不幸を人のせいにして鬱憤を酒で紛らわす毎日を送る主人公。

人生は、その人の弱点が軸になっていることが多く、その弱点に対する態度次第で最後まで人生を狂わせてしまう人、反対に逆境を素晴らしく生き抜く人、最初はダメでも途中で悟って巻き返す人などがいて、その生涯が私たちを感動させたり、そこから何かを学んだりさせてくれます。

この主人公は途中で悟ることが出来ました。ほかに、自分の能力を活かすことに怯(ひる)まず、自信を持って積極的に努力するところは、アル中でも完全に壊れていたわけではなく、どこかに才能があった人のようです。

自分の「弱さ」を克服するのは非情に難しいことですが、きっかけを見つけて弱さを克服することが出来たら、それが例え人生の後半であってもラッキーだと思わなければなりません。ちょっと宗教染みていて寓話的な要素もありますが、いい作品だと思いました。