ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

猫のロッキー

YouTubeの猫ビデオコンテストCatdance Film Festivalの応募作品の1つです。妙に凝り過ぎ、反って稚拙さが目立つ他の応募作品と比べてダントツに素直で自然で好感の持てる作品です。最後はちょっと辛いですが、イラストも可愛くて紹介せずにいられません。

http://www.youtube.com/watch?v=lEChXCAlk5w

ナレーションを雑に訳すと、こんなこと言ってます。

ある寒い朝、
ファーマーズマーケットが終ったころ
僕たちは出会ったね

箱の中のたくさんの子猫が
ジャンプしたりニャーニャー鳴いたりしている中で
君だけが違ってた
オレンジ色の小さな子猫が箱の底でグーグー寝てた

腕を伸ばして君の胸と前足を掴んで
僕の顔の前に近づけて訊いた
「何で君は他の兄弟たちのように自分をアピールしないんだい?」
君は目を開け、僕の鼻を舐め、そして目を閉じてまた寝てしまった
それで君はもう僕の猫と決まったようなもんだった
君は家路に着くまで僕の車の後ろの席で
あちこち臭いを嗅いでいた

僕たちはとても楽しい日々をたくさん過ごしたね

どういうわけか君は近所の黒猫を妊娠させてしまった
君は「僕じゃない」と言ったけど
オレンジ色に黒の子猫は君が父親である証拠だよ

僕が初めてのデートで彼女とソファに座っていたら
君は植木鉢にフンをしたことがあったね
彼女に「猫のトイレはあるの?」と訊かれたっけ
怒った僕が猫トイレのある部屋のドアを
閉めてしまったためだったんだね
だから君はビックリするような手段に出たんだ

君が17歳になった時 
定期診察で癌(黒色腫)が見つかった
君はとても勇敢だった
翌年までの数回の手術に耐えたんだから

君は自分の死が近くなったことを悟ったんだね
だから僕が帰ってくると毎日僕の胸に上って
今まで聴いたことのない鳴声で
ニャーニャーと君はよく喋った
君は自分の考えを僕に伝えていたんだね

君はいつもよりたくさん喋り続けたね
でも、あの暑い朝、
大きな生暖かい息を一つついて
君は死んだ

僕は君の体の温もりが消えるまで抱いていた
そして君に感謝した
17年間、素晴らしい友達でいてくれた君に