私は古い人間なのでTimbuktuと聞くとアーサーキットのミュージカルのリメイクか?と思ってしまったのですが、これはそれとはまったく別の物語でした。サハラ砂漠の村Timbuktu周辺に住むベドウィンの一家族の悲しい物語。少ないセリフで、ゆっくり静かにすすんでいきます。のどかで美しい景色が余計に悲しさを増す、どこか小津か黒澤を彷彿させる佳作。
銃を持ったイスラム過激派が村を支配するようになり、自然の中でゆったりと暮らしていた村人は訳が分からないまま生活の自由を奪われていきます。そして村から離れて暮らしているベドウィンの親子にもその支配の手が回ってきます。
作品の中で、女性が寝そべって、ゆったり楽しそうに歌うシーンがあります。その歌声の心地よいことといったらありません。もっと聴いていたいと思っている所に過激派の邪魔が入り途切れてしまいます。
ボールのないサッカープレイのシーンも印象的でした。カメラワークがよくボールがあるような錯覚が起こりますが、プレイをしている若者の気持を思うと哀れさが増します。
浅慮な私が気になったのは、みな美しい顔立ちの人ばかりということ(笑)。その家族の夫も妻も娘も、漁師もその妻も、みな美しい顔立ちなのです。特に娘役の女の子の素顔は非常に美しかったです。あとでベドウィン族の写真をググッたら整った顔立ちの人が多くみつかりました。