何必曰利。亦有仁義而己矣。
上は孟子が梁の恵王に言った言葉。
先日亡くなった在ドイツの(相棒の)親友の葬儀案内カードに載っていた言葉です。親友は7か国語を話す人で中国語もその中にあり、朱子学を学んでいたということです。
恵王の元にやって来た孟子に、恵王は「あなたも又この梁の国に利益をもたらす話を説きにいらしたのか」と訊いたそうです。それに対し孟子は「なぜ利が必要なのか。国を政るに必要なのは仁義のみ」と答えたそうです。
相棒の親友にピッタリな言葉です。多分、親友がモットーにしていたのでしょう。孟子は性善説を説いたそうですが、この友もそんな感じがしました。いつも笑顔で、意地悪い心など微塵もない、そんな人でした。自分の利益より人のためになることを先に考える、そんな人でした。
つい先日、このブログに『逝くには早すぎる』歌を挙げたのは皮肉でした。友人はこの先10年15年スペインでの余生を計画していたらしいです。本当に逝くにはあまりにも早すぎました。