ユタ州南部の日常

ユタ州南部での隠居生活

温泉(2)私の訪れた米国内の温泉

サーモポリス(ワイオミング州)15、6年ほど前にイエローストーン国立公園を訪れる途中、温泉町サーモポリスに寄りました。州立温泉施設では、温泉は無料、タオルは1ドルぐらいで貸してくれました。白っぽい湯で室内から外へ続いていました。水着を着ける以外は日本の温泉気分になれるいい所です。近くにホテルが(当時)2軒あり、ホテルの中にも温泉が引かれていて、まさに温泉宿です。現在はホテルの数も増えているものと推察されます。

ボイリングリバー(ワイオミング州)イエローストーン国立公園内の川の温泉に入りました。これぞ正真正銘、天然の温泉です。黄色い花があちこちに愛らしくのぞく緑の土手に、この世のものとは思えないほど穏やかで柔らかく優しい風がそよぐ川で熱い温泉に浸かりながら、向こう側の川に入ってこっちを見ているたくさんのエルク(大鹿)を眺めていると、ここは天国かシャングリラか、という気分になってきました。

オホカリエンテ(ニューメキシコ州)ボイリングリバーが忘れられず「温泉、温泉」と言いつづける私に、相棒が一所懸命見つけてくれたのがこの温泉リゾート。リゾートといってもあまり高級感はなく庶民的な感じで好感が持てます。皆が楽しめる共同の大きな四種類の温泉が楽しめます。また、大きな石の水槽が外庭についている部屋を予約すれば、山から引かれた温泉を水槽に溜めて、好きな時にプライベートな温泉を楽しめるようにもなっています。ここは2、3度訪れていますが、出来れば毎年でも行きたい所です。相棒が引退したら、この温泉の近くに引越したい(笑)。

リッジウェイ(コロラド州)数年前にコロラド州の寂れた小さな町リッジウェイを訪れた時、その近くの温泉巡りをしました。泊まった宿の部屋は屋上にジャクジー(温泉ではありません)が付いていて、毎晩、星を眺めながらのお湯は贅沢そのもの。朝は山の連なる素晴らしい景色を見ながらのジャクジー。
宿から車で10分ぐらいのところにオーヴィスという温泉施設があり、ここでは3種類の温泉が楽しめました。2つは温いですが、3つ目のロブスターポットという小さな湯はアチチと言いながら入るほどの温度でした。相棒と私が入っていると、カウボウイハットを被った髭のおじさんが入ってきました。帽子は被っていましたがあとは何も着けていないおじさん「水着で湯に入るなんて、とっくに卒業したよ」と澄ましていました。ここは水着着用でも裸でもどちらでもいいという温泉施設でした。もう1つの温泉は、宿から1時間ほどの所にある洞窟の温泉。そこはお湯も空気も熱すぎて長く居られませんでした。

ビックベン国立公園(テキサス州)メキシコとの国境(くにざかい)にあるリオグランデの川沿いの温泉に入りました。途中、ツバメの巣がたくさん崖についているワイルドな雰囲気の泥道を過ぎると、川沿いに小さな温泉が出来ているところに出ます。不思議なことに、温泉を楽しんでいる人たちはヘブライ語、イタリア語、フランス語などで話しているのです。ヨーロッパからわざわざこの温泉に入りにきたのかしらん。イタリア語で話していたのは4人家族。お母さんが男の子を「アルベルト」とか呼んでました。そのイタリア人に「私たちもイタリアの温泉に行ったんですよ」と話しかけてみようかと思いましたが、持ち前の引っ込み思案が出て、黙っていました。

行くつもりで行かなかった温泉があります。デスバレー(ネバダ州)を訪れた時、軽い気持で行くつもりだった温泉がかなりの山奥にあり、パークレンジャーに「四駆じゃないと行けない。車で4、5時間かかる。そこまでして行く価値ある温泉じゃない」と否定的なアドバイスをもらいました。距離はそれほどではないのですが凸凹道で危険なためスピードがだせないらしいです。その温泉は諦めました。しかし、デスバレーは空気のきれいな素ん晴らしい所でした。